1998 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ・ネットワーク構造を持つ離散最適化問題の定式化とその効率的解法の研究
Project/Area Number |
10205210
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
増山 繁 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60173762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 周一 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (70262855)
伊藤 大雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (50283487)
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Keywords | 離散構造 / 効率的アルゴリズム / 並列LR構文解析 / UGLR構文解析 / ハムサンドイッチ定理の拡張 / 舞台照明問題 / 画像の傷の修復 / 計算幾何学 |
Research Abstract |
離散構造を有する問題に対する、その構造を生かした効率の良いアルゴリズムを開発するための知見を得ることを試みた。離散構造を持つ問題として、構文解析、離散幾何学、計算幾何学、及び、その画像処理への応用を取り上げた。それぞれの成果は以下の通りである。 まず、構文解析に関して、CREW P-RAM上で構文解析の対象を自然言語処理やコンパイラ等で良く用いられるLR文法に制限することにより、一般の文脈自由文法を対象とするよりもプロセッサ数を削減した並列アルゴリズムを新たに提案し、O(n^3)個のプロセッサを用いてO(logn)時間で実現できることを明らかにした。また、GLR構文解析器としてのUGLR構文解析器を提案した。UGLR構文解析は、帰納的集合であるすべての句構造言語を構文解析でき、文脈自由言語を、従来のGLR構文解析器と同じ計算時間で構文解析できる。 次に、離散幾何学、計算幾何学について、有名なハムサンドイッチ定理(但し、2次元版)の拡張としての、平面上に赤点pn個、白点pm個が配置されている時(但し任意の3点は同一直線上に無い)、互いに重ならないp個の凸領域が存在し、各領域は丁度赤点n個、白点m個を含む様にできる」という金子、加納の予想を証明した。更に、1992年に提案されて以来未解決であった、平面上に直線で表された「舞合」の全てを、平面上に根元を固定されたn個の投光器で照射可能か否かを判定する問題(舞台照明問題)がNP完全であることを証明した。但し、各投光器は根元を中心に回転することが出来、向いた方向の角度a_i内を照らすものとする。最後に、計算幾何学の画像処理への応用として、画像データを、色(RGB)毎の濃淡の等高線で表現する方法を用いた場合において、画像の傷をコンピュータでなるべく自然に見える様に修復するアルゴリズムを提案し、実験によって効果を確認した。ここで、自然に、とは修復された等高線の長さの総和が最小になることと定義した。
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[Publications] 椎名広光,増山繁: "LR構文解析の並列アルゴリズム" 電子情報通信学会論文誌. J81-D-I,12. 1231-1240 (1998)
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[Publications] Hiromitsu Shiina, Shigeru Masuyama: "UGLR Parser for Phrase Structure Langrages as an Extension of GLR Grammar" IEICE Trans. Fundamentals. (掲載決定). (1999)
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[Publications] Hiro Ito, Hideyuki Uehara, Mitsuo Yokoyama: "2-Dimension Ham Sandwich Thecom for fortitioning into Three Convex Piece" Proceelings of Japan Conference an Viscrete and Computational Geometry (JCDCG'98). 1998. (69-73)
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[Publications] Hiro Ito, Hideyuki Uehara, Mitsuo Yokoyama: "NP-Compteteness of Stage Illumination Problem" Preceeling of JCDCG'98. 88-92 (1998)
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[Publications] Tetsuo Asano, Hiro Ito, Souichi Kimura Shigeaki shimizu: "Repazring Flans in a Picture on a Geomethic Representatio of a Digital Image." LNCS(ISAAC'98). #1533. 149-158 (1998)