1999 Fiscal Year Annual Research Report
メタヒューリスティクスによる計算困難問題の解決に関する研究
Project/Area Number |
10205211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
茨木 俊秀 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50026192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀山 貴史 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (60314530)
柳浦 睦憲 京都大学, 情報学研究科, 助手 (10263120)
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Keywords | メタヒューリスティクス / 組合せ最適化 / 近似アルゴリズム / MAX-SAT(最大充足可能性問題) / GAP(一般化割当問題) / RCPAP(資源制約スケジューリング問題) |
Research Abstract |
本年度の研究では、代表的組合せ問題として、最大充足可能性問題(MAX-SAT)、一般化割当問題(GAP)、資源制約プロジェクトスケジューリング問題(RCPSP)、集合被覆問題(SCP)、車両経路決定問題(VRP)、などを選び、それらに対し、汎用性を考慮しつつアルゴリズム開発を進めた。 具体的には、メタヒューリスティクスの手法であるタブー検索を基本におき、それに可変近傍探索法、遺伝アルゴリズム、アユーリング法などの特徴を加味するというアプローチをとった。予備実験を通して、有望なアルゴリズムの枠組みを洗い出しつつ、プログラムの実装を進めた結果、メタヒューリスティクスの基本要素である局所探索法、とくにその中の近傍の定め方が重要であることに気づき、詳しく研究を行った。すなわち近傍のサイズはできるだけ大きく取るのがよいが、計算の高速化を実現するには、無駄な解を検索から除くための工夫が大切である。そのためには、探索にともなうデータを十分記憶して置くこと、排除連鎖法などの方法により有望解を先読みして深く探索すること、などの有効性が明らかになった。本年度の研究では、とくに、最大充足可能性問題(MAX-SAT)、一般化割当問題(GAP)のアルゴリズムの開発が大きく進展した。 得られたアルゴリズムの性能は、DIMACSのnetlibや他のソースに貯えられているベンチマーク問題を用いて評価したが、すでに開発されている他のアルゴリズムと比較して遜色ないか、あるいはそれらを凌ぐものとなっていることが判明した。我々のアルゴリズムは汎用性を重視して作られているので、実用上の観点からは、ずっと広い適用範囲をもっているのが特長である。
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[Publications] M. Yagiura, T. Ibaraki: "Analysis on the 2 and 3-flip neighborhoods for the MAX-SAT"J. of Combinatorial Optimization. 3. 95-114 (1999)
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[Publications] M. Yagiura T. Yamaguchi, T. Ibaraki: "A variable depth search algorithm for the generalized assignment problem"Meta-Heuristics, Kluwer Academic Publishers. 459-471 (1999)
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[Publications] 柳浦睦憲、茨木俊秀: "組合せ最適化問題に対するメタ戦略について"電子情報通信学会論文誌. J83-D-I-1. 3-25 (2000)