1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10205212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50134466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩浦 昭義 上智大学, 理工学部, 助手 (10296882)
降旗 大介 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (80242014)
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Keywords | 組合せ最適化 / 凸解析 / 非線形計画 / アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究課題では,代表者が近年提案した「離散凸解析」の理論体系を基礎として,一般の組合せ最適化問題を解く実用的なアルゴリズムの構築を目指している.本研究の目標到達までの過程は, (i) 理論の構築, (ii) アルゴリズムの開発, (iii) 計算機実験による評価, の3段階に分けられるが,本年度は(1)に重点をおいて研究を進めた. 離散凸解析は,元来,整数格子点上で定義された整数値関数に関する理論であったが,ごく最近の研究により,滑らかな実数値関数に関しても,解析的視点と組合せ的視点の融合が有効であることが分かってきた.本年度はこの研究をさらに進め,従来の「離散凸解析」を含む枠組みとして「組合せ凸解析」の理論体系を構築した. より具体的には,実数空間上で定義された関数に対して,M/L凸関数の概念を定義し,これらを「組合せ的凸関数」と見なして,解析的視点と組合せ的視点の両面から,以下のことを調べた. ●M/L凸関数の集合版をM/L凸集合と定め,既知であると思われる事実を我々の視点からまとめた. ●M/L凸関数のもつ様々な性質を示した.特にM/L凸関数の劣勾配,方向微分関数などの構造を明確にした. ●M/L凸関数が互いに共役性をもつことを示した. ●多面体的M/L凸関数に対する多面体的な特徴付けを与えた. ●離散的なM/L凸関数と連続的なM/L凸関数の関係を調べ,離散的M/L凸関数の凸拡張は連続的M/L凸関数であることを示した. ●M/L凸関数に関する双対定理を述べた.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Murota: "Fenchel-type Duality for Matroid Valuations" Mathematical Programming. 82. 357-375 (1998)
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[Publications] K.Murota: "Discrete Convex Analysis" Mathematical Programming. 83. 313-371 (1998)
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[Publications] K.Murota: "On the Degree of Mixed Polynomial Matrices" SIAM Journal on Matrix Analysis and Applications. 20. 196-227 (1999)
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[Publications] K.Murota,A.Shioura: "M.Convex Function on Generalized Polymatroid" Mathematics of Operations Research,to appear.
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[Publications] A.Shioura: "A Constructive Proof for the Induction of M-Convex Functions through Networks" Discrete Applied Mathematics. 82. 271-278 (1998)
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[Publications] A.Shioura: "Minimization of an M-convex Function" Discrete Applied Mathematics. 84. 215-220 (1998)
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[Publications] 室田一雄、他: "離散構造とアルゴリズム、V" 近代科学社, 249 (1998)