2000 Fiscal Year Annual Research Report
高度な信頼性を有する大規模分散システム構築のための分散アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
10205218
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増澤 利光 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50199692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 暁宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10295008)
片山 喜章 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学センター, 助手 (10263435)
井上 美智子 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (30273840)
桝田 秀夫 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助手 (90304063)
齋藤 明紀 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (20235021)
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Keywords | 分散アルゴリズム / プロトコル / 並列アルゴリズム / フォールトトレランス / 自己安定 / 無待機 / 計算機クラスタ |
Research Abstract |
本研究では、大規模分散システムを実現するための基盤技術である、分散アルゴリズム、並列アルゴリズムについて、特に、大規模分散システムの実現という観点から重要と思われる研究に取り組んでいる。平成12年度は以下の成果を得た。 1.分散システムの高度な信頼性/可用性を実現するための分散アルゴリズム (1)無待機分散アルゴリズム:無待機分散アルゴリズムは、停止故障に対する高度な故障耐性を有する。時計合わせ問題、メッセージ交換システムにおける線形化共有オブジェクト構成問題に対する無待機分散アルゴリズムを提案した。 (2)自己安定分散アルゴリズム:自己安定分散アルゴリズムは、計算機の一時的な故障に対する高度な故障耐性を有する。グループコンセンサス問題、ヒープ順序構成問題、重み最小生成木構成問題に対する自己安定分散アルゴリズムを提案した。 2.モバイル分散システムのための分散アルゴリズム アドホック分散システムにおけるクラスタ構成/更新問題に対する発見的アルゴリズムを提案した。 3.計算機クラスタなどの分散システムで高速に問題を解くための並列アルゴリズム 計算機クラスタなどの分散システムも考慮した並列計算モデルであるBSPモデルやCGMモデル上での、2値画像上の全最近点問題、辞書式順極大3和問題、選択問題、整列問題、ソート済み点集合の凸包問題に対する並列アルゴリズムを提案した。
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[Publications] 石水隆: "Parallel algorithms for the all nearest neighbor problems of binary image on the BSP model"IEICE Transactions on Information and System. E83-D・2. 151-158 (2000)
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[Publications] 増澤利光: "Fault-tolerance of distributed algorithms : self-stabilization and wait-freedom"IEICE Transactions on Information and System. E83-D・3. 550-560 (2000)
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[Publications] 藤原暁宏: "Parallel selection algorithms for CGM and BSP models with application to sorting"情報処理学会論文誌. 41・5. 1500-1508 (2000)
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[Publications] 守屋宣: "Wait-free linearizable distributed shared memory"IEICE Transactions on Information and System. E83-D・8. 1611-1621 (2000)
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[Publications] 松井博義: "Fault-tolerant and self-stabilizing protocols using an unreliable failure detector"IEICE Transactions on Information and System. E83-D・10. 1831-1840 (2000)
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[Publications] 浮穴学慈: "木ネットワーク上のヒープ順序構成自己安定プロトコル"電子情報通信学会論文誌. J84-D-I・1. 48-57 (2001)
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[Publications] 谷口博人: "アドホックネットワークにおけるクラスタ構成法"電子情報通信学会論文誌. J84-D-I・2. 127-135 (2001)
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[Publications] 片山喜章: "重み最小生成木を構成する故障封じ込め自己安定プロトコル"電子情報通信学会論文誌. (採録決定).
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[Publications] 片山喜章: "A latency optimal superstabilizing mutual exclusion protocol in unidirectional rings"Journal of Parallel and Distributed Computing. (採録決定).
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[Publications] 中島孝明: "辞書式順極大3和問題に対するBSPモデル上のコスト最適な並列アルゴリズム"情報処理学会論文誌. (採録決定).
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[Publications] 大重直樹: "Round optimal parallel algorithms for the convex hull of sorted points"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Science. (採録決定).
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[Publications] 藤原暁宏: "Parallelizability of some P-complete problems"Proceedings of Workshop on Advances in Parallel Computational Models. 116-122 (2000)
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[Publications] 中島孝明: "P完全問題に対するコスト最適な並列アルゴリズム"並列処理シンポジウム(JSPP'2000). 35-42 (2000)
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[Publications] 馬上俊幸: "離散ボロノイ図を求める並列アルゴリズム"並列処理シンポジウム(JSPP'2000). 159 (2000)
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[Publications] 大重直樹: "Parallel algorithms with constant communication rounds for the convex hull of sorted point"電子情報通信学会技術報告. COMP100-21. (2000)