1998 Fiscal Year Annual Research Report
経路最適化問題の近似アルゴリズム:幾何学的制約の有効利用と大規模問題に対する実用化
Project/Area Number |
10205225
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉木 久夫 明治大学, 理工学部, 教授 (20111354)
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Keywords | 経路最適化 / 巡回セールスマン問題 / 近似解 / 動的計画法 / ヒューリスティックス |
Research Abstract |
主に、平面上の幾何的巡回セールスマン問題に対するAroraの多項式時間近似スキームの実用的実装の可能性について検討し、試験的な実装を行なった。特に、近似の精度を制御するパラメータであるmとrがともに1である場合の実装を行ない、どの程度の近似度が得られるか調べた。このパラメータは、このスキームにおいて可能な限り一番荒い近似を意味するが、それでも近似の精度は2割から3割程度が得られることが分かった。また、実行時間については理論通り、ほほO(nlogn)であることを確認した。これと並行して、mとrの値を4程度にまで上げるための実装の方式を検討した。検討の結果、この程度のパラメータ値に対しては、現実的な実行時間とメモリ量で実装ができる見通しを得た。現在その方式に基づいて実装を行なっているところである。 また、理論的な結果であるAroraのスキームが、ヒューリスティック動的計画法とでも呼ぶべき、実用的な近似解法のパラダイムに一般化され得ることを発見した。これは、解の分解構造に基づく解空間の構造を調べることにより、良い近似解を含みそうな部分空間を定義してこの部分空間のなかの最適解を動的計画法により求めるという考え方である。部分空間の定めかたにおいて、理論的な保証に拘らなければさまざまなヒューリスティックスが考えられる。その他、関連した幾何的最適化問題などについての研究を行ない、その成果を発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Tamaki,T.Tokuyama: "How to cut pseudo parabolas into segments" Discrete & Computational Geometry. 19. 265-290 (1998)
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[Publications] T.Akutsu,H.Tamaki,T.Tokuyama: "Distribution of distances and triangles in a point set" Discrete & Computational Geometry. 20. 307-331 (1998)
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[Publications] C.Papadimitrion,P.Raghaum,H.tamaki,S.Vempala: "Latent Semantic indexing : a probabilistic analysis" Proceedings of the ACM Symposium a Principle of Database System. 164-172 (1998)
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[Publications] T.Asano,N.katoh,H.Tamaki & T.Tokuyama: "Convertibility among grid filling curves." Proceedings of the International Symposium on Algorithing and Computation. 307-316 (1998)