1998 Fiscal Year Annual Research Report
凝縮系化学反応ダイナミックス(多様性・特異性の発現と量子効果)の総括班
Project/Area Number |
10206101
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大峰 巌 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60146719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 末廣 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (02008705)
吉原 経太郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究所, 教授 (40087507)
茅 幸ニ 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (10004425)
富永 圭介 神戸大学, 理学部, 助教授 (30202203)
加藤 重樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20113425)
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Keywords | 凝縮系 / 化学反応 / 多様性 / 特異性 / ダイナミックス / 量子効果 / 超高速分光法 / 電荷移動 |
Research Abstract |
研究会:平成10年9月からスタートし、平成10年度内に以下2回の研究会を行った第1回の研究会;岡崎国立共同研究機構分子科学研究所にて平成10年11月21日-22日に第1回研究会を開催した。評価班の先生2名と班員10名全員が出席し各自1時間の発表を行い、全員で各班員の研究計画の内容の詳しい検討を行った。特に本特定研究が目指している「凝縮系化学反応に於ける多様性・特異性の発現」を明確に各自の研究内容に反映させ実行していくための詳細な検討を行った。第2回の研究会;名古屋大学にて平成11年2月20日-21日に第2回研究会を開催し、評価班の先生全員4名の参加のもと、班員9名が各自1時間の発表を行い、本年度の研究の進捗状況と研究成果、また11年度の研究計画について検討した。 各自の研究;理論的研究は比較的立ち上がりが早く、実験研究は大型の装置の製作と購入等があるが、順調に準備段階が終わりつつある。またすでに幾つかの注目すべき結果がでてきている。 班員間の協力:比較的小さな研究班であり、常時班員の間で研究の協力、検討が行われている。例えば溶液のダイナミックス、反応 向性を探る新しい超高速分光法の開発に関し、富永が実験を、大峰、谷村が理論を担当し、富永一大峰で分子動力学法を用いて液体の非線形分光の実験の分子レベルでの解釈を行っている。 また、富永一谷村で新しい非線形分光(5次、7次)の理論的開発に関して議論を交わしている。大峰一谷村で新しい非線型分光のシミュレーションを行っている。バクテリオ口ドブシンや光合成ユニットなどの生分子内でのプロトン・電子移動の機構の解明に関し、神取による実験結果と大峰による理論的研究を組合せ、生体分子内に存在する水分子の鎖を如何にプロトンが移動していくか、またそれに伴って水分子内振動が如何に変化し実験的に観測されるかを明らかにしつつある。さらに、寺島一加藤による新しい分子・熱拡散機構の解明、本間一加藤による分子クラスターの多重電子状態とダイナミックスの解明を進めているなど、多くの研究協力が適時行われている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Saito: "Off-Resonant Fifth Order Nonlinear Response of Water and CS_2 : Analysis Based on Normal Modes." Journal of Chemical Physics. 108. 240-251 (1998)
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[Publications] S.Hayashi: "Theoretical Study of Intramolecular Long-Range Electron Transfer Reactions between Porphyrin and Benzoquinon ab initio Calculations of Electronlc Coupling Element." Journal of Physical Chemistry A. 102. 2878-2887 (1998)
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[Publications] A.Morita: "Molecular Dynamics Simulation with the Chargs Response Kernel:Diffusion Dynamics of Pyrazine and Pyrazinyl Radical in Methanol." Journal of Chemical Physics. 108. 6809-6818 (1998)
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[Publications] T.Yamamoto: "Quantum Dynamics of Unimolecular Dissociation Reaction HFCO→HF+CO." Journal of Chemical Physics. 109. 9783-9794 (1999)
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[Publications] H.Shirota: "Substituent Effect and Deuterium Isotooe Effect of Ultrafast Intermolecular Electron Transfer:Coumarin in Electron Donating Solvent." Journal of Physical Chemistry A. 102. 3089-3102 (1998)
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[Publications] K.Tominaga: "Overtone Vibrational Dephasing of Chloroform Studied by Higher-Order Nonlinear Spectroscopy." Journal of Physical Chemistry A. 102. 4222-4228 (1998)