2000 Fiscal Year Annual Research Report
凝縮系化学反応ダイナミックス(多様性・特異性の発現と量子効果)の総括班
Project/Area Number |
10206101
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大峯 巖 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60146719)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 経太郎 北陸先端大学院大学, 副学長 (40087507)
冨永 圭介 神戸大学, 理学部, 助教授 (30202203)
加藤 重樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20113425)
岩田 末広 広島大学, 理学研究科, 教授 (20087505)
茅 幸二 岡崎国立研究機構, 分子科学研究所, 所長 (10004425)
|
Keywords | 凝縮系 / 化学反応 / ダイナミックス / 溶液内化学反応 / 量子液体 / 揺らぎ / 複雑化学系 / 生体高分子反応 |
Research Abstract |
本特定研究では液体及び溶液内・生体高分子内に於ける動的(核の運動)・電子的揺らぎと化学反応の関係を明らかにし、それらの反応に於ける多様性・特異性の発現機構をダイナミックスの観点からるために1)複雑化学系に於ける揺らぎと緩和,2)揺らぎと反応のダイナミックスの関係,3)生体反応に於ける特異性の発現機構,に関する研究を重点的に行った。ダイナミックスの解析法や多様な運動形態を記述できる新しい実験方法として2次元ラマン分光法、短時間赤外分光法、時間分解ラマン分光法、光グレーディング法などをを開発し、また超多次元での反応経路の決定、またその上での特異的反応経路(選択性)の解析に必要な理論的方法を用いて、溶液内化学反応ダイナミックス、量子液体の溶媒効果、生体高分子(ロドプシン、ミオグロビンなど)の反応のダイナミックス解析し、その特異性の発現機構を調べた。 総括班として、 (1)6月に研究計画班員が全員集まり研究会を開き、互いの研究状況について討論し検討を行った。 (2)平成13年2月に京都において、国際会議を開き、一般に講演を開放した。カルフォルニア大学バークレー校のグラハム・フレミング教授、スクリプス研究所ブルックス教授、ブルックヘイブン国立研究所マーシャル・ニュートン博士、カルフォルニア大学サンジェイゴ校のメルビン・オカムラ教授の4人を招へいし、本特定領域研究班の成果を発表し、評価を受けると同時に、研究の方向、新しい展開について討論・検討を重ねた。一般参加者は約70名であった。 (3)。インド・プネ大学ガドレー教授、イスラエル・ヘブライ大学ブッフ教授を招へいし、水・氷および生体高分子の研究のフロンティアについて検討を行い、また京都大学、岡山大学、分子科学研究所の研究班員との研究討論、またその研究成果の評価をしてもらった。 また本研究班成果を大峰がアメリカ計算化学会、インド・バンガロアにおける国際会議等で発表した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Chigasa Kobayashi,Shiniji Saito and Iwao Ohmine.: "Mechanism of Fast Proton Transfer in Ice ; Potential Energy Surface and Reaction Coordinate Analyses"Journal of Chemical Physics. 113. 9090-9010 (2000)
-
[Publications] S.Hayashi and I.Ohmine: "Proton Transfer in Bacteriorhodopsin ; Structure, Excitation and IR Spectra, and Potential Energy Surface Analyses by an ab initio QM/MM method"Journal of Physical Chemistry. B 104. 10678-10691 (2000)
-
[Publications] H.Nakamura and S.Kato: "State Resolved Reaction Rates of the Spin-forbidden Predissociation of N2O : A Quantum Dynamic Study of the Rotational Effect"Journal of Chemical Physics. 112. 1785-1796 (2000)
-
[Publications] N.Yoshida and S.Kato: "Full-dimensional Quantum Dynamics Study on the Mode-specific Unimolecular Dissociation Reaction of HFCO"Journal of Chemical Physics. 112. 8006-8016 (2000)
-
[Publications] N.Yoshida and S.Kato: "Molecular Ornstein-Zernike Approach to the Solvent Effects on Solute Electronic Structures in Solution"Journal of Chemical Physics. 113. 4874-4884 (2000)
-
[Publications] K.Ohta,Y.Naitoh,K.Tominaga,and K.Yoshihara: "Excited-State Dynamics of all-trans-1,3,5,7-Octatetraene in Solution. Direct Observation of the Internal Conversion from the S2 to S1 State and Relaxation Process in the S1 State"Journal of Physical Chemistry. (印刷中). (2001)