1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用の設計ならびにルイス酸塩基活性種による動的立体化学制御
Project/Area Number |
10208101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸岡 啓二 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (20135304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
三上 幸一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10157448)
桑野 良一 京都大学, 大学院工学研究科, 助手 (20273477)
金政 修司 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (20038590)
香月 勗 九州大学, 理学部, 教授 (40037271)
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Keywords | ルイス酸活性種 / 動的立体化学制御 / 5配位典型金属 / 二点配位型有機金属分子 / 不斉触媒 / 触媒的不斉反応 / 多機能触媒 / 複合酸塩基金属錯体 |
Research Abstract |
研究代表者である丸岡啓二は、「キレート型ルイス酸活性種による動的立体化学制御」の研究に取り組み、先例のないキレート型5配位典型金属活性種の存在を検出するとともに、二点配位型有機金属分子を各種のカルボニル化合物とのキレート形成による立体化学制御に基づいた高い選択性の獲得に向けて合理的な新規合成反応プロセスを案出した。また、分担者である香月勗は、「分子間相互作用の設計と立体制御」に関して、生体反応場を規範とする新しい反応場を構築すると共に分子間相互作用の動的側面を検討して、C-H結合の反応の立体化学制御を達成した。金政修司は、「遮蔽基の配座制御に基づく効率的不斉触媒の創製」に取り組み、基質分子と触媒分子の接近、結合形成の遷移状態構造、触媒からの生成物の脱離過程を考察して触媒設計し、触媒作用を発現し物理・化学的堅牢性を持つ有用触媒を開発した。桑野良一は、「フレキシブルな不斉反応場を持つ新規不斉触媒による触媒的不斉反応の開発」研究で、今までの不斉触媒の設計の常識に反し、不斉反応場を直接形成する置換基としてフレキシブルな置換基を導入した、全く新しいタイプの不斉触媒の設計・合成を行った。三上幸一は、「異種金属錯体触媒間の相剰作用の設計と動的立体化学制御」の面から新しいコンセプトに基づく触媒系の創製、触媒と基質との相互作用の動的挙動の解明、および外部分子による制御を研究テーマとして新しい動的立体化学制御法を確立した。笹井宏明は、「動的立体化学制御による多機能触媒の創製と応用」研究で、希土類/アルカリ金属を含む多機能型の複合酸塩基金属錯体を調製し、それらを用いる動的立体化学制御の検討と立体選択的ニトロアルドール反応を開発した。
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