1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10211204
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩井 一彦 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (80252261)
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Keywords | 疎密波 / 電磁場 / 強磁場 / 液体金属 |
Research Abstract |
疎密波は、結晶粒微細化、脱ガス、気液反応の促進など、液体金属に対して種々の冶金学的効果を示すものの、振動子の出力が弱いこと、伝達子が溶損されること等の理由により工業的に利用されていない。一方、交流電磁場を液体金属に印加することにより疎密波を生成できることは理論的に知られている。この方法は非接触操作であること、電磁場の強度に応じて疎密波の強度を変化させることができ、理論上はその上限がないこと、などの特長を有するため上述の問題を解決できる有力なプロセスと考えられる。そこで、工業的に利用可能な強度を有する疎密波を得ることを目的として、近年発達の著しい強力静磁場と交流磁場とを利用した疎密波生成法について検討した。具体的には、圧縮性流体に対する電磁流体解析、および超伝導磁石、高周波発振器を利用した疎密波生成装置の試作、実験を行った。理論解析から、強磁場中における疎密波が磁場と平行に伝播するときには通常音波であるが、磁場と直交方向に伝播するときには通常の音波と異なる磁気音波の形態を示すこと、その伝播速度は磁場強度、流体密度、透磁率と音速の関数であること、その強度は静磁場と交流磁場との積に比例すること、各種条件下における1次元容器内の疎密波分布、等を明らかにした。また、実験において、多少のばらつきはあるものの交流磁場強度が一定の条件下で測定された疎密波強度は印加静磁場強度に比例することを明らかにした。(論文投稿準備中)
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