2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10211204
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩井 一彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80252261)
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Keywords | 材料電磁プロセッシング / 疎密波 / 電磁場 / 強磁場 / 液体金属 / 凝固 |
Research Abstract |
疎密波は、結晶粒微細化、脱ガス、気液反応の促進など、液体金属に対して種々の冶金学的効果を示すものの、振動子の出力が弱いこと、伝達子が溶損されること等の理由により工業的に利用されていない。一方、交流電磁場を液体金属に印加することにより疎密波を生成できることは理論的に知られている。この方法は非接触操作であること、疎密波強度を自由に変化させることができその上限がないこと、などの特長を有するため上述の問題を解決できる有力なプロセスと考えられる。そこで、今年度は強力静磁場と交流電流とを重畳印加する導電性流体内疎密波生成法による凝固組織制御について検討した。具体的には、静磁場と交流電流とをSn-Pb合金に局所印加することにより凝固組織全体を微細化可能であることを明らかにした。次に、温度制御しながら凝固を行うことにより、疎密波印加時には初期凝固部に置いて過冷が低減することを見いだした。すなわち、凝固組織微細化機構として、核生成の可能性を示唆する結果が得られた。 アルフベン波は、主として天文物理学の分野で研究がなされてきたが、近年の超伝導磁石の発達により液体金属内にも伝播可能な条件が整いつつある。そこで、プロセス制御ツールとしての利用を目指して、静磁場と交流電流とを用いたアルフベン波の非接触生成方法を提案するとともに理論解析、実験を行った。すなわち、電磁流体力学に基づき液体金属内の圧力分布を予測するとともに、静磁場中に置かれた液体ガリウム内で、理論予測と一致する圧力変動を検知した。両者を比較したところ、良い一致が見られた。従って、ここで提案した方法で液体金属内へアルフベン波の生成が可能で有ることが証明された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 王強, 岩井一彦, 浅井滋生: "交流電磁気力により励起される疎密波の強度および分布の制御"鉄と鋼. Vol.87No.8. 521-528 (2001)
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[Publications] K.IWAI, S.ASAI: "Excitation of Internal Wave and its Propagation Characteristics in a Conductive Liquid by Local Imposition of Electromagnetic Fields"Proc. of Material Processing Symposium. 171-174 (2001)
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[Publications] K.IWAI, S.KAWAI, Q.WANG, S.ASAI: "Wave Generation in a Conductive Liquid by Local Imposition of Electromagnetic Fields"Proc. of Electromagnetic Processing of Materials in the third millennium. 37-40 (2001)
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[Publications] 岩井一彦, 浅井滋生, 小嶋真也, 高田和重, 高木勉: "ローレンツ力を用いた液体金属内への疎密波直接生成"材料とプロセス. Vol.14No.4. 829-832 (2001)
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[Publications] 岩井一彦: "電磁気力を利用した液体金属内での波動生成とその工業的利用"材料とプロセス. Vol.15No.1. (2002)