1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10212202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭三 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30072937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 淳賢 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20250219)
新井 洋由 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40167987)
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Keywords | PAF / ホスホリパーゼA_2 / ホスホリパーゼA_1 / 酸化リン脂質 / リゾホスファチジルセリン |
Research Abstract |
(1) I型PAFアセチルヒドロラーゼ βサブユニットが、線虫C.elegansに発現していることを見いだし、その構造を決定した、C.elegansのβサブユニットは、ヒトβと約60%の相同性を示した。この線虫β遺伝子を破壊した、ノックアウトC.elegansを作製した。ヘテロ接合体に異常は認められなかったが、ホモ接合体は胚致死であった。このフェノタイプを観察した結果、胚発生の段階の内、下皮細胞と呼ばれるC.elegansの虫の体腔をくるむ細胞の分裂に異常があることがわかった。 (2) II型PAFアセチルヒドロラーゼ II型PAFアセチルヒドロラーゼに関しても、C.elegansにhomologue遺伝子を見いだし、そのタンパク質を発現し解析した。C.elegansの酵素は、PAFだけでなく、酸化リン脂質をよく分解し、哺乳類とほぼ同様な基質特異性を示した。C.elegansには、PAFが存在しないことから、酸化リン脂質が本来の生体内での基質であると考えられた。この遺伝子に関してもノックアウトC.elegansを作製し、胚致死を確認した。 (3) セリンリン脂質特異的ホスホリパーゼ 我々は、PS-PLA1が2-アシル型lysoPSの産生を通してマスト細胞の活性化に関与するのではないかと考え,リコンビナントPS-PLA1を用いたin vitroの実験を行った。その結果、PS-PLA1はマスト細胞の抗原-IgE依存的な脱顆粒反応を促進することがわかった。また、PS-PLA1の効果はlysoPSの産生を介していることがわかった。これらの知見は、PS-PLA1が実際抗アレルギー薬のターゲットとなりうることを強く示唆するものである
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[Publications] Nagai Y.et al.: "Altermatime splicing form of PS-PLA, that exhibit lysops-specific lysophospholipose in human." Journal of Biological Chemistry.(in press).
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[Publications] Manya H.et al.: "Switching of PAF are tylhydrolase catalitic subunit in developing rat brain" Journal of Biological Chemistry. 273. 18567-18572 (1998)
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[Publications] Watanabe M.et al.: "Molecular cloning of cDNA encoding α1, α2, and β subunits of brain PAF are Tylhydrolase" Biochimi.Biophysi.Acta.1401. 73-79 (1998)
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[Publications] Wei Y.et al: "Structure of microbial homologue of mamalian PAF are tylhydrolase." Structure. 6. 511-519 (1998)