1998 Fiscal Year Annual Research Report
ホスファチジン酸ホスファターゼの新しい機能と作用分子機構の解明
Project/Area Number |
10212207
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加納 英雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 正広 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80260777)
和田 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40182969)
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Keywords | ホスファチジン酸ホスファターゼ / ジアシルグリセロール / リン脂質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
我々によるマウスとヒト2型ホスファチジン酸ホスファターゼ(PAP-2)のクローン化を契機として、現在7種のPAPの構造が明らかになっている。全てのPAPは6回膜を貫通する糖蛋白であり、ショウジョウバエWunenとラットDri42がPAPであることから、細胞の増殖、移動、分化における本酵素の重要性が注目されている。さらにPAPは共通の新しい触媒機構を共有する、約30種の酵素から成るスーパーファミリーを形成することが分っている。本研究では、PAP-2bをHEK293細胞に発現させ検討した結果、1)PAPは細胞外のリゾ-PAを分解するエクト酵素であること、2)PAPは細胞表面膜に局在し、トリトン処理後のショ糖密度勾配遠心による生化学的検討と、caveolin-1を共発現時のレーザー顕微鏡による観察により、カべオラに存在することが明らかとなった。現在コレステロール結合試薬の酵素活性と存在形態に対する影響を検討中である。PAPの機能を個体レベルで検討する目的で、PAP-2aのKOマウスを作製中である。
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[Publications] Kanoh,Hideo: "molecular characterization of the type2 phosphatidic acid phosphatase" chem.phys.Lipids.印刷中. (1999)
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[Publications] 加納、英雄: "ホスファチジン酸ホスファターゼ" 蛋白質核酸酵素. 印刷中. (1999)
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[Publications] 和田、郁夫: "ホスファチシン酸ホスファターゼとハロペルオキシダーゼと生殖細胞ガイダンス" 生化学. 70(9). 1183-1188 (1998)
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[Publications] 加納、英雄: "細胞機能と代謝マップII 細胞の動的機能" 東京化学同人(分担執筆), 137-142(6) (1998)