1998 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシス初期過程におけるダイナミンGTPaseの機能の解明
Project/Area Number |
10215202
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
馬場 健 山梨医科大学, 医学部, 講師 (90208710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 靖久 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60126703)
寺田 信生 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60293461)
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Keywords | ダイナミン / エンドサイトーシス / 急速凍結レプリカ / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
ダイナミンは100kDのGTP結合蛋白質で,エンドサイトーシス初期におけるクラスリン被覆小胞形成に関与しているが、ダイナミンのGDP/GTP変換やGTPase活性がエンドサイトーシスのどの段階で特異的に働いているかを検討するため、以下の研究を行った。 1. ダイナミンの機能とグアニンヌクレオチド結合性の検討 (1)野生型、GTP/GDP非結合型、およびGDP結合固定型ダイナミンを導入した細胞の生化学的、および形態学的アッセイをおこなったところ、変異ダイナミン導入細胞では、クラスリシ介在エンドサイトーシスが完全にブロックされていた。(2)これらの細胞の細胞膜断片をカバーグラス上に回収し、抗ダイナミン抗体を用いた免疫金染色を行った後、液体窒素冷却イソペンタン・プロパン混合液で急速凍結し、白金と炭素を回転蒸着し、レプリカ膜を作成した。作成したレプリカ膜を透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、GTP・GDP非結合型および、GDP結合固定型ダイナミン導入細胞では、野生型ダイナミン導入細胞にくらべて多数のクラスリン被覆ピットの集積が見られた。免疫金染色により、ダイナミンはクラスワン被覆ピットおよび平坦なクラスリン被覆領域に同定された。また、クラスワン被覆ピットが細胞膜を裏打ちするアクチン細胞骨格を避けるように存在している事が明らかになった。 2. ダイナミン機能に欠損を持つ哺乳類細胞の作成と解析 野生型およびダイナミンのeffector domainを欠失する変異ダイナミン遺伝子を作成した。今後、GFPをレポーターとする発現ベクターに組み込み、K562細胞にトランスフェリクチン系をもちいて遺伝子導入し、一過性発現系で、FACSソーターを用いてエンドサイトーシス欠損細胞を回収する予定である。
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