1998 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞における 小胞体-ゴルジ体間輸送とタンパク質の選別
Project/Area Number |
10215206
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
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Keywords | 小胞体 / ゴルジ体 / 輸送小胞 / 小胞輸送 / 膜蛋白質 / 免疫電顕法 / ミクロゾーム型アルデヒド脱水素酵素 / COS細胞 |
Research Abstract |
小胞体からゴルジ体への輸送小胞が形成される過程において、ゴルジ体以降に輸送される膜蛋白質がいかに輸送小胞に組み込まれ、小胞体膜蛋白質がいかに排除されるか、免疫電顕法を用いて各蛋白質の挙動を追跡し、その機構を解析する研究をたち上げた。 まず、免疫電顕法の改良を行い、直径約1nmのコロイド金を免疫染色に用いて前包埋法を行い、その後、銀増感を行うこと(銀増感法)により、高感度でかつ微細構造をよく保った状態で免疫電顕を行うことが可能となった。 我々は、さきに、小胞体のC末端アンカー型膜蛋白質;ミクロゾーム型アルデヒド脱水素酵素(msALDH)のC-末端に糖鎖付加配列を融合したキメラ蛋白質をCOS細胞に発現させると、このキメラ蛋白質には、Endo H感受性・Endo D抵抗性のN型糖鎖が付加されることを明らかにし、msALDHは、シスゴルジから循環するKDEL蛋白質とは異なり、小胞体から出ない形で小胞体膜に残留すると生化学的に結論した。 今回、銀増感法を用いた免疫電顕法を使用することによって、COS細胞へ遺伝子導入したmsALDH、あるいは、そのキメラ蛋白質を高感度で検出できることを確かめた。現在、msALDHの小胞体-ゴルジ体間における分布を解析し、msALDHが、実際に、小胞体からの輸送小胞から排除され小胞体に留まるか否か検討中である。msALDHを発現しているラット組織を用いても同様に検討を開始した。
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