2000 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞小胞輸送変異株とセミインタクト細胞を用いたサイトーシスの分子機構の解明
Project/Area Number |
10215209
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
村田 昌之 岡崎国立共同研究機構, 総合バイオサイエンスセンター, 助教授 (50212254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 正人 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (90290915)
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Keywords | エンドサイトーシス / エキソサイトーシス / エンドソーム・リソソーム / ゴルジ体 / 小胞体 / GFP / セミインタクト細胞 / 細胞周期 |
Research Abstract |
エンドサイトーシス経路の分子メカニズムを解明するために、低密度リポタンパク質のリソゾームでの分解が遅いCHO変異株群をセルソータを駆使した独自の方法で得、それらの解析を行っている。本年度は(i)蛍光観察により輸送系を定量的に解析する方法、 (ii)レトロウイルスベクターを介した発現クローニング法を確立し、、エンドソーム後期過程は遺伝子の変異によって規定される複数の独立膜動過程に分けられること、そして、これらの後期エンドソーム膜動輪送の特定の進行過程における、コレステロールホメオスタシスの重要性を明らかにした。また、エキソサイトーシス経路の分子メカニズム解明を目的とし、「GFP可視化技術」と形質膜を一部透過性にした「セミインタクト細胞系」をカップルさせた顕微測光アッセイシステム確立した。本システムを用い、光学顕微鏡下の単一細胞内でGFP融合タンパク質の輸送及びGFP標識オルガネラのダイナミクスを定量的に解析し、かつ生化学的に関連因子を探索し次の結果を得た。(i)細胞分裂期(M期)におけるCHO細胞のゴルジ体、小胞体(ER)の形態変化・娘細胞への分配とオルガネラ再構築過程をGFP可視化した。また、間期・M期細胞質を用いてセミインタクト細胞内でそれら全過程を形態変化を指標に再構成し、その分子基盤としてcdc2キナーゼに制御されたp97/p47とsyntaxin複合体による細胞周期依存的な膜融合反応があることを証明した。(ii)単一のセミインタクト細胞内でER【double arrow】ゴルジ体→形質膜間小胞輸送の各素過程を可視化・再構成に成功した。間期・M期の細胞質を用い、細胞周期依存的な各輸送過程のキネティックスを定量的に解析し、M期にはゴルジ体→ERの逆行輸送以外は全て停止する(cdc2キナーゼ依存的)こと、その結果、ゴルジ体の一部がERへ吸収され娘細胞に分配されることを明らかにした。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] Tsuyosi Hirota: "Effect of brefeldin A on melatonin secretion of chick pineal cells."Journal of Biochemistry.. 129. 51-59 (2001)
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[Publications] Fumi Kano: "Reconstitution of brefeldin A-induced Golgi-tubulation and fusion with the ER in semi-intact CHO cells."Molecular Biology of the Cell.. 11. 3073-3087 (2000)
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[Publications] Fumi Kano: "MEK and Cdc2 kinase are sequentially required for Golgi disassembly in MDCK cells by the mitotic Xenopus extracts."Journal of Cell Biology.. 149. 357-368 (2000)
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[Publications] Fumi Kano: "Reconstitution of the Gogi reassembly processin semi-intact MDCK cells."Biophysical Chemistry. 84. 261-268 (2000)
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[Publications] Masayuki Mori: "Novel interaction of the voltage-dependent sodium channel (VDSC) with calmodulin : Does VDSC aquire calmodulin-mediated Ca^<2+>-sensitivity?"Biochemistry. 39. 1316-1323 (2000)
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[Publications] 村田昌之: "セミインタクト細胞を用いたタンパク質の細胞内ターゲティングとオルガネラバイオジェネシスの研究""GFPとバイオイメージング〜原理・応用・検出のすべて〜"(宮脇敦史 編)羊土社. 259-265 (2000)
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[Publications] 加納ふみ: "セミインタクト細胞とGFPを用いた細胞内トラフィックのモニタリングとマニピュレーション"生物工学. 78. 392-397 (2000)
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[Publications] 村田昌之: "物質の取り込みと細胞内消化、"163-188."現代医学の基礎 2巻"、(石川春律,高井義美,月田承一郎 編)岩波書店、. 163-188 (2000)
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[Publications] 村田昌之: "細胞内小胞輸送ネットワークにおけるゴルジ体のダイナミクス""シリーズ・ニューバイオフィジックスII 4巻 生体膜のダイナミクス"(八田一郎,村田昌之 編)、共立出版、. 119-138 (2000)
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[Publications] 村田昌之: "メンブレントラフィック研究の視点から細胞・オルガネラの形態形成を観る"細胞工学. 19. 982-986 (2000)
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[Publications] 加納ふみ: "膜の動きを観て、操作する-GFPとセミインタクト細胞を用いたトポバイオジェネシア研究"細胞工学. 19. 1023-1029 (2000)
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[Publications] Masato Ohashi: "Arrested maturing multivesicular endosomes observed in a Chinese hamster ovary cell mutant, LEX2, isolated by repeated flow-cytometric cell sorting."Journal of Cell Science. 113. 2187-2205 (2000)
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[Publications] Tamotsu Yoshimori: "The Mouse SKD1, a Homologue of Yeast Vps4p, Is Required for Normal Endosomal Trafficking and Morphology in Mammalian"Molecular Biology of the Cell. 11. 747-763 (2000)
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[Publications] 八田一郎,村田昌之 共編: "シリーズ・ニューバイオフィジックスII 4巻 生体膜のダイナミクス"共立出版. 202 (2000)