1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10216202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大坪 栄一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10158800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 靖彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80222074)
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Keywords | トランスポゾン / トランスポゼース / 挿入因子 / DNAの切断・再結合 / プラスミド / RecQへリカーゼ / 末端逆向き配列 |
Research Abstract |
トランスポゾンは、自身がコードするトランスポゼースの働きにより転移すると共に、その能力により遺伝子の再編を促し、ゲノムを改変する。本研究は、細菌の数多くのトランスポゾンにより構成されるファミリー中で最大の二つの代表である挿入因子IS3とアンピシリン耐性トランスポゾンTn3(IS3はDNA複製を伴わない転移を、一方Tn3はそれを伴う転移をする)のトランスポゼースによるIS3とTn3DNAの切断・再結合機構を解明することを目的としたものである。 IS3を運ぶプラスミドからは、IS3転移の中間体と考えられる環状及び直鎖状分子が生じ、環状分子が効率よく直鎖化される。本年度において、環状分子は、プラスミド上のIS3の末端が他端近くに結合した8型状分子を経由して生成することを明らかにした。一方、直鎖状分子は、IS3の3'端と5'端から3塩基離れた位置における二つの異なる切断により生じること、3'端における切断は他よりはるかに高頻度で起こることを明らかにした。また、recQ宿主変異株においてIS3の標的分子への転移が正常には起こらず、IS3の両端ではなく片端のみが関与したような異常な組み換え体を生じることを見いだし、RecQヘリカーゼが相同組み換えばかりではなく、トランスポゾンの転移組み換えにも関与することを示した。 Tn3に関しては、これまでに転移のin vitro系で宿主因子としてacyl carrier protein(ACP)が必要であることを示した。本年度において、ACP存在下でTn3変異体のニッキング効率と転移を調べることによって、Tn3末端の変異はACP存在下でニッキングも転移も阻害すること、末端逆向き配列IRにはトランスポゼースが結合する領域と結合しない領域があるが、結合する領域内において両反応に強く影響を与える部位とそうでない部位があることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sekine, Y.: "Linearization and transposition of IS3 circles"J. Mol. Biol.. 294. 21-34 (1999)
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[Publications] Shiga, Y.: "Transposition of IS1 circles"Genes Cells. 4. 551-559 (1999)
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[Publications] Tobe, T.: "Complete DNA sequence and structural analysis of the enteropathogenic Escherichia coli adherence factor plasmid"Infect. Immun.. 67. 5455-5462 (1999)
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[Publications] Noma, K.: "Non-LTR retrotransposons (LINEs) as ubiquitous components of plant genomes"Mol. Gen. Genet.. 261. 71-79 (1999)
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[Publications] Ohtsubo, H.: "RIRE2, a novel gypsy-type retrotransposon from rice"Genes Genet. Syst.. 74. 83-91 (1999)
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[Publications] Kumekawa, N.: "Identification and phylogenetic analysis of gypsy-type retrotransposons in the plant kingdom"Genes Genet. Syst. in press. (1999)