2001 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母VDEエンドヌクレアーゼによる遺伝子ホーミングの研究
Project/Area Number |
10216203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大矢 禎一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究所, 教授 (20183767)
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Keywords | 出芽酵母 / 遺伝子ホーミング / VDE / 減数分裂 / DNA切断 |
Research Abstract |
出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeのVDEのホーミングに関するこれまでの研究は、ホーミングエンドヌクレアーゼVDEの切断活性に関するものがほとんどであったが、我々は切断修復の過程も含めた、減数分裂時におけるホーミング過程そのものを研究し、宿主である出芽酵母側の因子の解析を行うことにした。そこでまずVDE遺伝子断片を持つドナーとVDE遺伝子断片を獲得したホーミング産物とを区別できるように、制限酵素サイトの多系を利用し、サザン解析を行った際に別のバンドとして検出できるテスター株を作成した。この系を使って調べたところ減数分裂誘導後2-3時間でレシピエントの認識配列は切断され、5時間以降ホーミング産物が出現し、その後蓄積し始めることが確認された。 酵母の体細胞分裂時における二重鎖切断の修復には、大腸菌のRecAに相同性をもつRad51pとRad51pに相互作用するRad54pが関与している。また減数分裂期においては、Rad51p、Rad54pに加えて、それぞれに相同性をもつDmc1p、Tid1pが二重鎖切断の修復に深く関与していることが知られている。そこで、これら4つのタンパク質をコードする遺伝子破壊株を作成してホーミングを解析したところ、いずれの破壊株においてもホーミングが減少し、VDEによる切断断片が修復されずに残っていることが明らかになった。同様に相同組み換え修復の中で特に切断末端DNAの消化の過程に関与する、Mre11P、Rad50p、Xrs2pタンパク質の遺伝子破壊株でホーミングを解析したところ、VDEにより生じた切断末端は消化されておらず、ホーミングが部分的に阻害されていることが明らかになった。従って、VDEのホーミングは減数分裂期の相同組み換え修復に関わる種々の因子によって担われていることが明らかになった。
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[Publications] Yamagishi, H: "Appearance of non-fermenting variants in brewing yeast culture"Biosci. Biotech. Biochem.. 65. 2361-2363 (2001)
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[Publications] Ishihara: "Production of two-spored asci by a mutation in SPC42"Mol. Gen. Genomic.. 265. 585-595 (2001)
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[Publications] Mizutani, R.: "Protein-splicing via a thiazolidine intermediate"J. Mol. Biol.. (in press). (2002)
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[Publications] Nogami, S.: "Homing at an Extragenic Locus mediated by VDE"Yeast. (in press). (2002)