2001 Fiscal Year Annual Research Report
シャフロン特異的組換え酵素におけるDNAの切断と再結合
Project/Area Number |
10216207
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
駒野 照弥 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00087131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 伸久 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50244413)
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Keywords | シャフロン / 部位特異的組換え / プラスミドR64 / 接合伝達 / DNAの切断と再結合 |
Research Abstract |
R64シャフロンでは、4種のDNAセグメントが7個のsfx組換え配列により区分されている。領域下流に位置するrci遺伝子の産物の作用により、任意の逆向きsfx配列間で部位特異的組換え反応が起き、各セグメントは単独であるいは連合して逆位を行う。PilVアドヘシンをN末部が一定でC末部が異なる7種に変換するスイッチとして機能し、液内接合伝達における受容菌の特異性を決定する。sfx組換え配列は、配列のほぼ保存した7+12bpの中央部、右アームと、保存していない12bpの左アーム配列とからなり、非対称性を示す。Rci酵素は、sfx配列の右・左アームに配列特異的・非特異的に結合する。R64シャフロンのsfx配列には4種と5種の右・左アームが存在し、DNA逆位で19種のsfx配列が形成される。各sfx配列は、右左アームの組合わせで異なる組換え活性を示し、7種PilVアドヘシンの発現頻度を決定すると推定した。またsfx配列の左アームを右アームと等しくした対称組換え配列を構成すると、DNAセグメントの脱離も認められた。Rci酵素のsfx配列に対する非対称的認識が、逆向きsfx配列間での組換えのみを許す原因であると推定された。液内接合伝達の受容菌表層には、7種PilVアドヘシンにより認識される受容体-リポ多糖が存在する。大腸菌K-12,R1株、サルモネラ菌LT2株のリポ多糖の生合成に関与する各種waa変異株を用いて解析し、PilV受容体として機能するリポ多糖の部分構造を推定した。各種PilVアドヘシンを膜にブロットし、ビオチンで標識したリポ多糖を用いて、両者の特異的相互作用を証明した。PilV-LPS特異的相互作用にはPilVアドヘシンのC末部のみが必要であることが示された。
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[Publications] Sakai, Komano: "Genes required for plasmid R64 thin pilus biogenesis:identification and localization of products of the pilK,pilM,pilO,pilP,pilR,pilT"Journal of Bacteriology. 184. 444-451 (2002)
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[Publications] Sakai et al.: "ATPase activity and multimer formation of PilQ protein are required for thin pilus biogenesis in plasmid R64"Journal of Biological Chemistry. 276. 17968-17975 (2001)