1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10217204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 秀夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (60293867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 稔 京都大学, 医学研究科, 助手 (90183938)
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Keywords | CFTR / イオンチャネル / ABC蛋白 / ATP感受性Kチャネル / Kir6.1 / ミトコンドリア / SUR |
Research Abstract |
CFTRは、嚢胞性線維症の原因遺伝子で、6回膜貫通部分、制御部分,ATP結合部分を有するATP binding cassette(ABC)蛋白ファミリーに属する。その本体は、Aキナーゼにより制御されるクロライドチャネルで上皮細胞でのクロライド分泌調節を行っている。同時に、CFTRは種々のチャネルやトランスポーターと連関し、その機能を調節することがわかってきた。その点で単なるチャネル蛋白にとどまらず多様な生物学的活性を持つと考えられる。その一つとして、われわれは、内向き整流カリウムチャネルの一つであるKir6.1と培養細胞上でCFTRを共発現させ、Kir6.1にスルフォニルウレア感受性が出現することを証明した。Kir6.1は、心筋、骨格筋、膵臓などで発現し、ATP感受性Kチャネルのサブユニットを形成する。 Kir6.1そのものにはATP感受性がないために、その制御はβサブユニットを介して行われる。心筋において、ATP感受性Kチャネルは虚血に対する耐性を担っているが、実際我々はラット心筋梗塞モデル心で、Kir6.1のmRNA,蛋白レベルが選択的に上昇していることを発見した。最近、細胞膜のみならずミトコンドリアのATP感受性Kチャネルが、非常に重要な役割を担っていることが報告されている。われわれは、Kir6.1蛋白にtag標識、あるいはGFP標識し、その細胞内小器官での分布をconfocal顕微鏡、超遠心によるfractionationおよびimmunoblotで観察したところ、Kir6.1単独ではミトコンドリアに局在することが判明した。さらに、CFTRあるいは同じくABC蛋白ファミリーであるsulfonylurea受容体(SUR)を共発現させると、Kir6.1は、小胞体、ゴルジ、細胞膜分画に移行することが観察された。このことから、CFTR,SURは、チャネルそのもの、チャネルβサブユニットとしての働き以外に、他のタンパク質の細胞内輸送sortingにも関与していることが示唆された。
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[Publications] Haruna T,Horie M,Nanada R,Kouchi I,Tsuchiya K,Akao H,Otani H.: "Coordinate interaction between ATP-sensitive K^+ channel and Na^+,K^+_-ATPase modulates ischemic preconditioning." Circulation. 98. 2905-2910 (1998)
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[Publications] Takano M,Xie L-H,Otani H,Horie M: "Cytoplasmic terminus domains of Kir6.x confer different nuoleotide-dependent gating on the ATP-sensitive K^+ channel." Journal of Physiology(Lond.). 512. 395-406 (1998)
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[Publications] Ai T,Horie M,Obayashi K,Sasayama S: "Accentuated antagonism by angiotensin II or guinea-pig Cardiac L-type Ca-currents enhanced by b-adrenergic stimulution" Pfugers Archiv. 436. 168-174 (1998)
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[Publications] Ishida-Takahashi A,Otani H,Takahashi C,Horie M et al: "Cystic fibrosis transmembrane conductance regulator mediates sulphonylurea block of inwardly restifying……" Journal of Physiology(Lond). 508. 23-30 (1998)