2000 Fiscal Year Annual Research Report
ATP感受性カリウムチャネルの分子制御機構と生理作用
Project/Area Number |
10217207
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 晴夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20106462)
八田 愼一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60094223)
宮本 篤 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50166196)
種本 雅之 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40303945)
稲野辺 厚 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00270851)
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Keywords | 黒質 / 海馬 / シナプス / CA3 / synaptophysin |
Research Abstract |
ATP感受性カリウムチャネルはチャネル(Kir)サブユニットとスルフォニル尿素受容体(SUR)サブユニットからなっている。このうち、SURサブユニットはチャネル活性を直接制御すると考えられ、SUR1とSUR2の2つの遺伝子が存在し、さらにSUR2についてはdifferential splicingによってできると考えられるSUR2AとSUR2Bの2つのisoformが存在している。これまで、Weaverマウスという黒質ドーパミン細胞が死滅するマウスについて、一部の黒質細胞が残存するが、この残存細胞はATP感受性カリウムチャネルを発現しており、その中でSURサブユニットではSUR1を発現しているとの報告があった。そこで、実際どのようなSURがどの時期に脳のどの部分でどのように発現しているかを調べるために、SUR1,SUR2AとSUR2Bの特異抗体の作成を試みた。培養細胞に発現させたSURサブユニットを用いて抗体の特異性を検討したところ、SUR2Bの抗体はSUR1も認識したが、SUR2AとSUR2B両者を認識する抗体を併用するとSUR1、SUR2A、SUR2Bの3つのサブユニットを区別することが可能となった。これらの抗体を用いて脳のSURの分布を調べたところ、それぞれのサブユニットで特異的な分布を示していることが判明した。特に、SUR2Bについては、海馬歯状回の顆粒細胞からのaxon(mossy fiber)を受けるCA3領域のstratum lucidumに強い発現がみられ、この発現はsynaptophysinの発現領域に一致しており、presynaptic terminalにSUR2Bは発現している可能性が示唆された。
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[Publications] Horio Y: "Inwardly rectifying potassium channels in glial cells."Jpn.J.Pharmacol.. (in press).
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[Publications] Shindo T, et al.: "MCC-134, a novel vascular relaxing agent, is an inverse agonist for the pancreatic-type ATP-sensitive K^+ channel."J.Pharmacol.Exp.Ther.. 292. 131-135 (2000)
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[Publications] 大谷修,堀尾嘉幸: "人体の正常構造と機能II循環器"日本医事新報社. 103 (2000)