2001 Fiscal Year Annual Research Report
酵母の多剤耐性における多様なABC蛋白の機能および発現制御ネットワーク
Project/Area Number |
10217208
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮川 都吉 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10116676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 大 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (30243603)
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Keywords | ABCトランスポーター / 出芽酵母 / Ca^<2+>シグナル |
Research Abstract |
多剤耐性に重要なABCトランスポーターPdr5は、細胞内Ca^<2+>濃度の制御に関わっていることを発見をしたので、この新規機能の解析を行っている。 1.Ca^<2+>耐性の表現型を与えるPDR5アレルについて Ca^<2+>感受性変異株Δzds1にCa^<2+>耐性を付与する変異scz5は、多剤耐性ABCトランスポーターをコードするPDR5遺伝子における変異であった。scz5変異株はCa^<2+>耐性を示したが、他の薬剤に対する感受性には変化がなく、scz5変異はCa^<2+>に特異的な変異であることが示唆された。PDR5破壊株も強いCa^<2+>耐性を示した。野生株PDR5とのキメラを構築し、変異点を限定したところ、アミノ酸1096-1483間にあることが示唆された。現在変異点を決定している。 2.Pdr5による細胞内Ca^<2+>濃度調節について ^<45>Ca^<2+>およびPIXE法により細胞内Ca^<2+>を測定し、Pdr5欠失により細胞内Ca^<2+>が低下することを明らかにした。pdr5株のCa^<2+>耐性は、細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が抑えられることによることが明らかになった。細胞内Ca^<2+>は、PDR5破壊株、野生株、単コピー導入株、多コピー導入株の順で高く、Ca^<2+>感受性もこの順で高かった。 3.細胞内Ca^<2+>によるPdr5蛋白質レベルの調節。 Pdr5の細胞内レベルは、蛋白質およびmRNAレベルでCa^<2+>によってダウンレギュレートされた。いずれのプロセスにもカルシニューリンが関与していた。Ca^<2+>によるPdr5蛋白質の分解には、液胞プロテアーゼPep4が関与していた。GFP標識したPdr5を蛍光顕微鏡観察することによってもこのことは確認された。このダウンレギュレーションは、細胞内Ca^<2+>濃度の上昇により、細胞外からのCa^<2+>流入を抑制するフィードバック制御機構と考えている。
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[Publications] Masaki Mizunuma et al.: "GSK-3 Kinase Mck1 and calcineurin coordinately mediate Hsl1 down-regulation by Ca^<2+> in budding yeast"ENBO.J. 20. 1074-1085 (2001)
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[Publications] X.Zhang et al.: "Crosstalk between transcriptional regulators in multidrug resistance in Sacccharomyces cerevisae"J.Biol.Chem.. 276. 8812-8819 (2001)
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[Publications] Osamu Tanabe et al.: "Fission yeast homologues of the B subunit of protein phosphatase 2A : multiple roles in mitotic cell division and functional interaction with calcineurin"Gene Cells. 6. 455-473 (2001)
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[Publications] Tomoki Hosotani et al.: "PKC1, a protein kinase C homologue of Saccharomyces cerevisiase, participates in microtubule function through the yeast EB1 homologue BIM1"Gene Cells. 6. 775-788 (2001)
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[Publications] Eiko Tsuchiya et al.: "Borrelidin inhibits a cyclin-dependent kinase (CDK), Cdc28/Cln2, of Saccharomyces cerevisiae"J.Antibiotics. 54. 84-90 (2001)