2000 Fiscal Year Annual Research Report
CFTRクロライドチャネル蛋白の多機能性と細胞容積調節機構
Project/Area Number |
10217210
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10025661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サビロブ ラブシャン 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (60322632)
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Keywords | CFTR / Cl^-チャネル / ATP放出 / 細胞容積調節 |
Research Abstract |
CFTRは欧米で非常に多い常染色体劣性遺伝疾患である嚢胞性線維症の原因となる膜蛋白である。この膜蛋白は、構造上はABCトランスポータのファミリーに属しながら、機能的には細胞内のcAMP増加によって活性化されるCl^-チャネルの実体であることが明らかにされてきた。しかし、はじめの命名通り、他のチャネルに対するレギュレータとしての機能も併せ持つことも報告されている。さらにパッチクランプ法によりCFTR強制発現細胞においてATP電流が観察できたという報告もあり、ATPの通過路はCFTR自体であるという仮説が提唱された。更に最近、CFTRではなく容積感受性Cl^-チャネルを通ってATPが放出されるという仮説も提出された。そこで本研究では、CFTRの多機能性に関して、ATP放出制御と細胞容積調節制御の2点から分子論的に明らかにすることを目的とする。具体的には、1)ATP放出はCFTR Cl^-チャネルを介して行われるか?、2)ATP放出は容積感受性Cl^-チャネルを介して行われるか?、3)CFTRはATP放出を制御するか?、4)CFTRは細胞容積調節を制御するか?、5)CFTRは容積感受性Cl^-チャネルを制御するが?、6)ATP放出経路の分子実体は何か?、7)ATP放出路蛋白とCFTR蛋白の分子的相互作用メカニズムは何か?、という7つの設問に答えて行くことが目標である。 一昨年度と昨年度においては、設問1)、2)について実験的検討を行い、浸透圧性細胞膨張時におけるATP放出は、CFTR Cl^-チャネルや容積感受性Cl^-チャネルを介して行われるものではないことを明らかにし、その設問に答えた。しかし、CFTRの発現は細胞膨張時のATP放出を著しく亢進することが明らかとなり、設問3)にも答えることができた。そこで、本年度は、設問4)と5)の実験的検討を行った。その結果、(1)低浸透圧下における細胞膨張後の容積調節Regulatory Volume Decrease(RVD)がCFTR発現によって亢進されることを証明した。(2)このRVDの亢進の原因がATP放出亢進による細胞内Ca^<2+>濃度増の亢進によるものであることを明らかにした。また、(3)CFTRの発現は容積感受性Cl^-チャネル活性をダウンレギュレートすることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hazama,Okada ら: "Swelling-activated, cystic fibrosis transmembrane conductance regulator-augmented ATP release and Cl^- conductances in C127 cells."Journal of Physiology. 523. 1-11 (2000)
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[Publications] Dezaki,Okada ら: "Receptor-mediated facilitation of cell volume regulation by swelling-induced ATP release in human epithelial cells."Japanese Journal of Physiology. 50. 235-241 (2000)
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[Publications] Morishima,Okada ら: "Volume expansion sensitivity of swelling-activated Cl^- channel in human epithelial cells."Japanese Journal of Physiology. 50. 277-280 (2000)
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[Publications] Maeno,Okada ら: "Normotonic cell shrinkage due to disordered volume regulation is an early prerequisite to apoptosis."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97. 9487-9492 (2000)
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[Publications] Shimizu,Okada ら: "Ca^<2+>-sensing receptor-mediated regulation of volume-sensitive Cl^-channels in human epithelial cells."Journal of Physiology. 528. 457-472 (2000)
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[Publications] 岡田泰伸: "浸透圧と細胞の容積調節能"生体の科学. 51. 530-535 (2000)
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[Publications] Suketa,Okada ら(編): "Control and Disease of Sodium Dependent Transportation Proteins and Ion Channels"Elsevier. 440 (2000)