2000 Fiscal Year Annual Research Report
アドレノメデュリン及び関連ペプチドの生体内での役割と病態生理の分子機構の解明
Project/Area Number |
10218101
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
江藤 胤尚 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10038854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172263)
藤田 敏郎 東京大学, 医学部(分), 教授 (10114125)
北村 和雄 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (50204912)
山下 博 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030841)
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Keywords | アドレノメデュリン / PAMP / 生理活性ペプチド / 循環調節機構 / 生体内制御機構 / 生合成機構 / AM遺伝子 / AMシンポジウム |
Research Abstract |
アドレノメデュリン(AM)は1993年に本領域代表者らにより発見された強力な降圧作用を有する新規生理活性ペプチドである。さらに、AM前駆体よりProadrenomedullin N terminal 20 peptide(PAMP)が降圧作用を有する新たな生理活性ペプチドとして、生合成されることが明らかになった。AM・PAMPは心血管系組織を含め、生体内の幅広い組織で生合成され、生体内で重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。本領域では、AMと関連ペプチド(PAMP)の研究を推進することで、これらのペプチドによる新たな循環調節機構を中心とする生体内制御機構の全貌を解明し、さらに各種疾患におけるAMとPAMPの病態生理学的意義を分子レベルで解明することを目指している。 現在本領域の研究により、AMとPAMPの新たな作用や生合成機構や各種病態における意義が明らかになりつつあり、さらには診断薬あるいは治療薬としての臨床応用も試みられ、本領域の研究は期待以上の成果があがりつつある。さらに、最近では、国内外の多くの研究施設において広くAM関連の研究が行われる様になった。このため、本領域の計画研究代表者が中心となり、国内外のAM・PAMPの研究者が参加して、平成12年11月6-8日に第2回アドレノメデュリン国際シンポジウムを本領域代表者の江藤が会長となり行った。この時、初日を本領域の国際公開シンポジウムとして、本領域の研究者が中心となり発表を行った。 本領域の研究はおおむね順調であると評価されているが、本領域の計画研究はすべてAM及び関連ペプチドの研究を行う関係上、一部重複するところが出てきている。特にAMと関連ペプチドの研究で重要な位置を占める、AMとPAMPの作用、受容体の研究、AM遺伝子欠損マウスの開発、AM遺伝子の導入・発現実験、AM・PAMPの分布および生合成・分泌を検討する実験等は複数の施設(計画研究)で行われている。今後とも、班員相互の十分な情報交換を行いながら、研究を推進していきたい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kiyomizu A,. et al.: "Distribution and molecular forms of adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide in the porcine gastrointestinal tract."J Gastroenterol.. 36. 18-23 (2001)
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[Publications] Kinoshita H., et al.: "Increased plasma levels of mature adrenomedullin in chronic glomerulonephritis."Nephron. 86. 333-338 (2000)
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[Publications] Yamakawa H., et al.: "Diastolic wall stress and ANG II in cardiac hypertrophy and gene expression induced by volume overload."Am J Physiol Heart Circ Physiol. 279. H2939-H2946 (2000)
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[Publications] Hirano S., et al.: "Differential responses of circulating and tissue adrenomedullin and gene expression to volume overload."J Card Fail. 6. 120-129 (2000)
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[Publications] Kuwasako K., et al.: "Visualization of the calcitonin recptor-like receptor and its receptor activity-modifying proteins during internalization and recycling."J Biol Chem. 275. 29602-29609 (2000)
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[Publications] Tsuruda T., et al.: "Enhanced adrenomedullin production by mechanical stretching in cultured rat cardiomyocytes."Hypertension. 35. 1210-1214 (2000)
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[Publications] 北俊弘,江藤胤尚: "高血圧クリーゼ"南江堂. 397-401 (2000)
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[Publications] 江藤胤尚: "Vascular Compliance"メディカルレビュー社. 110-113 (2000)