2001 Fiscal Year Annual Research Report
正常および病的状態におけるアドレノメデュリンの生体内分布に関する病理学的研究
Project/Area Number |
10218205
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
浅田 祐士郎 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70202588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 金太 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (60325735)
丸塚 浩助 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00239154)
住吉 昭信 宮崎医科大学, 医学部, 副学長 (80038695)
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Keywords | アドレノメデュリン / 動脈硬化 / 免疫組織化学 / 抗菌作用 / 血液凝固系 |
Research Abstract |
種々の検索法により、アドレノメジュリン(AM)は、全身諸臓器に広く分布することが示唆され、我々も、免疫組織学的に全身の正常組織に分布していることを報告してきた(Histochem Cell Biol,1999)。今回我々は、病的状態、特に、正常血管と動脈硬化巣におけるAMの発現の変化を、病理解剖例冠状動脈および冠状動脈硬化巣切除(DCA)によって得られたサンプルにおいて、免疫組織学的に検討した。正常組織において、すべての脈管(動脈・静脈・リンパ管)の中膜平滑筋細胞はAM陽性を示すが、動脈硬化巣においては、その初期病変であるびまん性内膜肥厚および脂肪斑周囲の平滑筋細胞は陽性を示し、脂肪斑の泡沫細胞は陰性であった。一方、中期および進行病変である線維脂肪病変および粥腫の泡沫細胞では、病変の進行につれ、陽性率・陽性強度の上昇がみられ、逆に中膜平滑筋細胞の陽性率の減少がみられた。特に、粥腫破綻の主な部位であるshoulder lesionでの泡沫細胞の陽性率が高度であり、粥腫破綻・心筋梗塞発生に関与している可能性が示唆された。(公開シンポジウム「アドレノメジュリンとPAMP」にて発表)現在、動脈硬化巣における炎症反応および心筋梗塞発症に関わる粥腫破綻とAM/PAMPの発現との関連について検討中である。 AM/PAMPの新規生理活性として、これらペプチドが粘膜および皮膚に存在することから、抗菌作用を有することが推定され、大腸菌に対する抗菌作用を検討した。その結果、AM/PAMPは、デイフェンシンに比しても強力な抗菌作用を持つことを見いだした(Exp, Physiol.,2001;86.5:543-545)また、培養血管内皮細胞の凝固系発現に対するAMの影響について検討し、AMが外因系血液凝固の開始因子である組織因子の発現を抑制し、その抑制因子である外因系血液凝固インヒビターの発現を促進することをあきらかにした。(公開シンポジウム「アドレノメジュリンとPAMP」およ第12回九州血管血栓フォーラムにて発表、投稿中)
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Marutsuka, K., et al.: "Adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide (PAMP) are present in human colonic epithelia and exert an antimicrobial effect"Exprimental Physiology. 86. 543-545 (2001)