2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10218207
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
北村 和雄 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (50204912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 俊弘 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70315365)
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Keywords | アドレノメデュリン / PAMP / 生理活性ペプチド / 新規生理活性ペプチド / binding assay / PAMP[1-20](PAMP-20) / PAMP[9-20](PAMP-12) / 循環調節 |
Research Abstract |
"proadrenomedullin N-terminal 20 peptide (PAMP)"は"アドレノメデュリン(AM)"前駆体より生合成されることが明らかになった強力な降圧作用を有した新しい生理活性ペプチドである。本研究ではPAMPの生体内での役割を解明するため、次の4テーマを中心に主として基礎的研究を推進し、次の様な知見が明らかにされた。 (1)PAMPの分布・生合成・分泌:PAMPはAMと同様に、副腎髄質以外にも、内分泌系組織および心血管系を始めとする全身の組織でその存在が明らかにされた。さらに免疫組織化学的手法を用いて、心血管・内分泌系細胞のみならず、全身の臓器・組織にPAMPの存在が明かにされた。特に、PAMPは腸管粘膜上皮の内腔側にも高濃度存在しており、抗菌ペプチドや抗炎症ペプチドとして作用していることを示唆するデータが得られている。 (2)PAMPの作用:PAMPの新たな作用として、アルドステロン分泌抑制作用、血管・子宮・腸管平滑筋等の弛緩作用、抗菌作用等が明らかにされた。 (3)PAMP受容体の研究:PAMPのbinding assayを確立し、PAMPの受容体の分布を調べた。その結果、副腎皮質の球状層に受容体が極めて多く存在し、肺や腎臓にAM受容体が多いのと異なっていた。また、ヒトの原発性アルドステロン産生腺腫組織にもPAMP受容体が高濃度存在する事が判明した。このため、ウシ副腎皮質球状層のcDNAライブラリーを構築し、発現クローニングを行っている。 (4)PAMPのアイソペプチドの系統的検索:PAMPの生体内での分子型の定性を行い、PAMP(9-20)を内在性のペプチドとして、単離・構造決定することでその存在を証明した。PAMP(9-20)とPAMP(1-20)の存在比は種や組織により異なるが、降圧作用始めとする生物学的な活性やPAMP受容体との結合活性には差がなかった。また、(3)で確立した副腎皮質球状層膜分画を用いたbinding assayにより、PAMPと競合的に結合するペプチドの探索を行い、ウシ副腎髄質より21個のアミノ酸よりなるペプチドを単離・同定し、PAMP受容体結合ペブチド(PAMP Receptor Binding Peptide:PRBP)と命名した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kiyomizu A., et al.: "Distribution and molecular forms of adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide in the porcine gastrointestinal tract."J Gastroenterol.. 36. 18-23 (2001)
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[Publications] Kinoshita H., et al.: "Increased plasma levels of mature adrenomedullin in chronic glomerulonephritis."Nephron. 86. 333-338 (2000)
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[Publications] Yamakawa H., et al.: "Diastolic wall stress and ANG II in cardiac hypertrophy and gene expression induced by volume overload."Am J Physiol Heart Circ Physiol. 279. H2939-H2946 (2000)
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[Publications] Hirano S., et al.: "Differential responses of circulating and tissue adrenomedullin and gene expression to volume overload."J Card Fail. 6. 120-129 (2000)
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[Publications] Kuwasako K., et al.: "Visualization of the calcitonin receptor-like receptor and its receptor activity-modifying proteins during internalization and recycling."J Biol Chem. 275. 29602-29609 (2000)
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[Publications] Tsuruda T., et al.: "Enhanced adrenomedullin production by mechanical stretching in cultured rat cardiomyocytes."Hypertension. 35. 1210-1214 (2000)
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[Publications] 北村和雄,江藤胤尚: "高血圧"日本臨床. 121-123 (2000)
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[Publications] 北村和雄: "高血圧ナビゲーター"メディカルビュー社. 100-101 (2000)