1999 Fiscal Year Annual Research Report
中枢におけるアドレノメデユリン及び関連ペプチドの局在のその作用
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10218210
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山下 博 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 講師 (10232745)
澁谷 泉 産業医科大学, 医学部, 助教授 (50162649)
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Keywords | アドレノメデユリン / 室傍核 / 視索上核 / バゾプレッシン / オキシトシン / 自律神経 |
Research Abstract |
アドレノメデユリン(AM)は、ヒト褐色細胞腫から発見された末梢血管拡張性の降圧ペプチドである。AMは中枢内にも存在しているが、中枢における存在の生理的意義は不明である。本研究により、中枢内のAMは以下のように視床下部神経内分泌系と密接に関連していることが明らかとなった。(1)ラット視床下部室傍核および視索上核にAM免疫陽性ニューロンが密集しており、室傍核では主にオキシトシンと、視索上核ではバゾプレッシンおよびオキシトシンと共存していること (2)コルヒチン処理および下垂体摘除実験から視床下部で生産されたAMは軸索流によって下垂体後葉に運ばれていることを証明したこと (3)ラット脳室内にAMを投与すると視床下部オキシトシン分泌ニューロンを特異的に活性化し、オキシトシン分泌を促進すること、この反応はAM受容体拮抗薬によりブロックされること (4)麻酔したラット室傍核の神経分泌ニューロから神経活動をガラス微小電極により記録したところ、脳室内に投与したAMはオキシトシン分泌ニューロンの神経活動を選択的に増加させること、バゾプレッシン分泌ニューロンの神経活動には影響を与えないことを明らかにした。また、室傍核の小細胞群ニューロンのうち、AMの脳室内投与により神経活動が増加するものが見だされたことから、これらのニューロンを介して自律神経系に作用する可能性が示唆された。オキシトシン分泌ニューロンへの興奮性入力の代表的なものとしてはグルタミン酸を神経伝達物質とする入力および脳幹からのノルアドレナリン作動性入力が知られている。AMの脳室内投与により、青斑核のノルアドレナリンニューロンを活性化することはすでに明らかにした。したがって、神経分泌ニューロンへの中枢内AMの作用は、AMの直接作用を興奮性伝達物質を介した間接作用が考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ueta Y. et al.: "Adrenomedullin-like immunoreactivity in the rat hypothalamo-neurohypophysical tract"Peptides. 20. 199-204 (1999)
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[Publications] Serino R. et al.: "Centrally administered adrenomedullin increases Plasma oxytocin level with induction of c-fos messenger ribonucleic acid in the paraventricular and supraoptic nuclei of tha rat."Endocrinology. 140. 2334-2342 (1999)
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[Publications] Ueta Y. et al.: "A physiological role for adrenomedullin in rats, a potent hypotensive peptide in the hypathalams-neurohypophysical system."Experimental Physiology. (in press).