2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10219204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 京都大学, 総合人間学部, 助手 (20283575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹安 邦夫 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40135695)
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Keywords | 液胞膜 / シンタキシン / GFP / SNAP-25 / 液胞形成機構 / SNARE / 液胞構造 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
(1)蛍光液胞膜マーカーGFP-AtVam3を用いた液胞の動的構造の解析 液胞膜に局在すると考えられているシンタキシンファミリーたんぱく質AtVam3に緑色蛍光たんぱく質GFPをつなげたものを発現するトランスジェニックシロイヌナズナを作成し、液胞膜の構造を、植物が生きている状態で共焦点レーザー顕微鏡で観察した。 その結果、(a)液胞の内側には、チューブ状の構造体、あるいはチューブ状の構造が丸くなって出来た筒状の構造体、小胞状の構造体など液胞内構造体が観察された。(b)ロゼット葉の表皮細胞を、経時的に観察すると、液胞の中にチューブ状の構造が現れたり、チューブ状の構造が投げ縄状に変化したり、激しく動いていることがわかった。またこの動きはアクチンの重合阻害剤であるサイトカラシンDを加えることにより停止することから、アクチンが何らかの役割を果たしていることが示唆された。このように、液胞膜は今まで考えられていた以上に複雑な構造をしていて、なおかつダイナミックに構造を変化させていることがわかった。 (2)AtVam3に相互作用するたんぱく質の探索 出芽酵母ではAtVam3に相同なたんぱく質であるVam3に相互作用するたんぱく質としてVam7が知られている。Vam7はSNAP-25ファミリーに属するたんぱく質で酵母の液胞膜上にVam3と複合体を形成して存在している。 我々は、AtVam3に相互作用するたんぱく質を検索する目的で、Vam7のアミノ酸配列を元にしてシロイヌナズナのゲノムからVam7に相同なたんぱく質を検索した。その結果、Vam7に弱い相同性をもつたんぱく質を一種類発見した。このたんぱく質(AtSYP51)はシンタキシンファミリーのたんぱく質で、動物のシンタキシン8に比較的高い相同性を持っていた。GFPとAtSYP51の融合たんぱく質を作製して、シロイヌナズナの培養細胞に一過的に発現させたところ、このたんぱく質は液胞膜上に局在していることがわかった。また特異的抗体を作成後、免疫沈降法によってAtVam3との相互作用を調べたところ、AtVam3とAtSYP51は共免沈してくることがわかった。この結果より、AtVam3とAtSYP51は共に液胞膜に存在し、互いに相互作用していることがわかった。
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[Publications] Yoshimura SH,Ohniwa RL,Sato MH,Matsunaga F,Kobayashi G,Uga H,Wada C,Takeyasu K: ""DNA phase transition promoted by replication initiator.""Biochemistry. 452. 267-271 (1999)
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[Publications] Nobutaka Mitsuda,Kazuhiko Enami,Mami Nakata,Kunio Takeyasu,Masa H.Sato: ""Novel type Arabidpsis thaliana H^+-PPase is localized to the Golgi apparatus.""FEBS Lett.. 488. 29-33 (2001)
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[Publications] Nobutaka Mitsuda,Kunio Takeyasu,Masa H.Sato: ""Pollen-specific regulation of vacuolar H^+-PPase expression by multiple cis-acting elements.""Plant Molecular Biology. (in press). (2001)