2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10220201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲村 春和 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90079690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 裕二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (80301042)
舟橋 淳一 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00270827)
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Keywords | 視蓋 / オーガナイザー / Fgf8 / Lmx1b / Wnt1 / Grg4 / 網膜視蓋投射 |
Research Abstract |
視蓋の領域形成のメカニズムに関して次のことを明らかにした。 1)中脳・後脳境界部から分泌されるFgf8によりRas-ERKシグナル経路が活性化されると小脳が分化する。Ras-ERK経路をドミナントネガティブ型Rasの強制発現により遮断すると、後脳胞は分化の方向を変え視蓋として分化した。視蓋の分化には別のシグナルトランスダクションシステムが活性化されることが示唆された。 2)Lmx1bもWnt1も強制発現すると視蓋が拡大した。Lmx1bはFgf8の発現を抑制するが、Wnt1の発現を誘導する。Wnt1はFgf8の発現を誘導する。またLmx1bはOtx2の発現を誘導し、Gbx2の発現を抑制するので、結果的にLmx1bの発現領域ではFgf8は発現しないが、それに接してFgf8が発現する。このメカニズムはオーガナイザーの維持に重要であろう。 3)Grg4はE2のころ間脳から中脳胞前側に発現し、オーガナイザー活性と拮抗することにより視蓋の領域を規定する。その後発現がなくなり、E5で神経上皮で発現が再開する。この発現は視蓋神経芽細胞の移動を制御しており、Grg4を強制発現すると、E5よりも早い時期に移動した細胞により形成される層が消失する。このSGFS, g層は網膜繊維が視蓋に深く侵入しないようバリアーとして働いていることが明らかとなった。すなわちGrg4をレトロウイルスベクターで強制発現するとg層が消失し、網膜繊維は視蓋の深層にまで侵入した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sugiyama, S., Nakamura, H.: "The role of Grg4 in tectal laminar formation"Development. 130. 451-462 (2003)
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[Publications] Matsunaga, E., Katahira, T., Nakamura, H.: "Role of Lmx1b and Wnt1 in mesencephalon and metencephalon development"Development. 129. 5269-5277 (2002)
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[Publications] Kishimoto, K.N., Watanabe, Y., Nakamura, H., Kokubun, S.: "Ectopic bone formation by electroporatic transfer of bone morphogenetic protein-4 gene"Bone Aug.. 31・2. 340-347 (2002)
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[Publications] 松永英治, 仲村春和: "視蓋領域形成におけるPax6とPax3/7の役割"実験医学増刊. 20・5. 34-40 (2002)
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[Publications] 仲村春和: "中枢神経系の領域はどのようにして形成されるか"実験医学増刊. 20・5. 12-20 (2002)
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[Publications] 佐藤達也, 仲村春和: "視蓋/小脳の分化とFGFシグナル"実験医学増刊. 20・2. 213-220 (2002)