2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10220207
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岡本 仁 理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, チームリーダー(研究職) (40183769)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / LIM / ホメオドメイン蛋白 / Islet-3 / 中脳・後脳境界部 / 分化誘導因子 / サブトラクション / 中脳 / ディファレンシャルディスプレー |
Research Abstract |
中脳・後脳境界部は、中脳と小脳の形成においてオーガナイザーの役割を果たすと考えられている。Islet-3のmRNAは、受精後15時間から17時間目の間に、眼と中脳視蓋部に限局して発現し、この領域の特異化に関与すると考えられた。Islet-3のLIM領域は、Islet-3に特異的なドミナント・ネガティブ因子として働き、中脳・後脳境界部の発達を促進する中脳シグナルの伝達を抑制することが示唆された。この領域の形成の分子機構をより深く理解するために、Islet-3によって発現制御を受ける新規因子群の探索を行った。我々はSubtractive Hybridization法とOrdered Differential Display法という2種類の方法を用いて2種類の新規蛋白を同定した。1つは317個のアミノ酸から成り、ヌクレオポンジンと命名された(トランスポンジンより改名)。これをコードするmRNAは、受精後12時間目に前脳で発現が始まり、受精後17時間目までには、終脳の背側と中脳・後脳境界部、およびzona limitans付近の細胞に限局して発現するようになる。もう一つは、我々がD121と仮に呼んでいる遺伝子で、そのmRNAは、中脳と中脳後脳境界部においては、engrailed遺伝子のmRNAと殆ど一致するパターンで発現する。D121遺伝子はII型の膜蛋白をコードしていると推定される。我々はこれらの蛋白の機能を明らかにするため、それぞれを熱ショックプロモーターの下流で過剰発現するトランスジェニック・フィッシュを作製した。更にマウス・ホモログのcDNAと遺伝子を単離し、この遺伝子が破壊されたノックアウト・マウスを作成するためのベクター作成を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Saito,T.,Hascilowicz,T.,Ohkido,I.,Kikuchi,Y.,Okamoto,H.,Hayashi,S.,Murakami,Y.,and Matsufuji,S.: "Two zebrafish (Danio rerio) antizymes with expression and activities."Biochem.J.. 345. 99-106 (2000)
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[Publications] Masai,I.,Okamoto,H.,and Wilson,S.W.: "Midline signals regulate retinal neurogenesis in zebrafish."Neuron. 27. 251-263 (2000)
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[Publications] Yeo,S,-Y.,Little,M.H.,Yamada,T.,Miyashita,T.,Halloran M.C,Kuwada,J.Y.,Huh T.-L.,Okamoto,H.: "Overexpression of a Slit Homologue Impairs Convergent Extension of the Mesoderm and Causes Cyclopia in Embryonic Zebrafish."Devel.Biol.. 230. 1-17 (2001)