2001 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会の政治構造と政治文化の総合研究-近畿圏を中心として-
Project/Area Number |
10301011
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Research Institution | BUKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
青木 康容 佛教大学, 社会学部, 教授 (40104616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高坂 健次 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60027977)
田村 雅夫 椙山女学園大学, 人間関係学部, 助教授 (40247606)
中道 実 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (40067690)
小林 久高 島根大学, 法文学部, 助教授 (30215355)
鵜飼 孝造 甲南大学, 文学部, 教授 (00203498)
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Keywords | 政策過程 / 政治エリート / 地方自治 / 行政官僚制 / 職業意識 |
Research Abstract |
今年度の調査対象は、地方分権法の実施に伴い、国の行政の請負機関から地域の総合的な政策主体へと転換するであろう地方行政であった。その解明のために今年度企画されたものは二つあった。 (1)自治体の現職の職員を招いての研究会の実施、これには元逗子市長を含め、5人、計6回の開催を行った。 (2)首長に対するアンケート調査の実施に向けて首長と行政幹部に対するインタビューの実施、前年度には行政職員のアンケート調査が行われていたので、調査票の作成のために、いくつかの、自治体へ直接出向いて首長と行政幹部とのインタビューを行った。 こうした中で、前年度の行政職員調査のデータ分析と、十年前に行った首長調査データの二次分析という二つの作業が、今回の調査票の完壁を目指して、並行して行われた。 首長に対するアンケート調査の実施は、全国3200以上の自治体というかつて例の無い調査を目指しているので、調査票内容の充実と高回答率に向けての慎重審議が重ねられた。その中で共通の認識に達したのは、今回の研究調査は分権化社会の下で、地方自治体研究の終了ではなく出発点であったということである。すなわち、地方自治を「自治」たらしめる上でより大きな貢献をするのは、地方議員よりも行政職員の政策に対する立案能力や実施能力ではないか、ということであった。このことは、われわれに首長と地方公務員の単なる意識調査にとどまらせず、道府県、市町村、政令市、中核市、特例市など全国三千以上の各種の地方自治体は果たして「地方分権」を担えるどのような制度と機構と人材を備えているか、という新たな疑問を生み出した。この疑問が来年度に再び科学研究費を申請させる直接の動機となったのである。
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