光赤外干渉計による恒星・恒星周辺現象の精密観測に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10304015
• Research Institution: National Astronomical Observatory of Japan
• Principal Investigator: 佐藤 弘一 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (80000173)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西川 淳 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (70280568) ; 福島 登志夫 国立天文台, 天文情報公開センター, 教授 (70231735) ; 鳥居 泰男 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (50227675) ; 大石 奈緒子 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助手 (60332160)
• Keywords: 光赤外干渉計 / 高角度分解能観測 / 恒星物理学

Research Abstract

本研究は、超高角度分解能で天体観測を行うための可視光・赤外線領域における干渉計(光赤外干渉計)を開発し、その有効性を実証することを目的とする。現在開発を行っているMIRA-I.2計画は、2台の素子望遠鏡からなる30m基線の干渉計であり、この装置開発の一環として本研究を進める。
今年度は、4年計画の第3年度にあたるが、昨年度に引き続きMIRA-I.2計画の干渉計システムの建設を行った。MIRA-I.1干渉計観測室に、サイデロスタット素子望遠鏡2台を設置して駆動試験を行った(試験基線:基線長6m)。この観測室に光束縮小光学系、tip-tilt鏡等の光学系を設置し、真空パイプで星の光を干渉光学系、遅延線等を設置した実験室に導くようにした。これらのシステムは、試験観測として使う。試験基線での恒星の試験観測を行った後、サイデロスタットと光学系を30m本基線の観測室に移設する。
昨年度末に建設した2個の30m基線の望遠鏡基台および観測小屋、真空伝送路パイプ、等の整備を行い、光学系設置を行っている。観測室から実験室内に光を導く真空伝送路パイプの設置、伝送路光学系と光学部品の製作、試験を行った。実験室の光学定盤上に、干渉光学系、干渉縞検出器、4分割位置検出器、等を設置し試験を行った。別の光学定盤上に、真空精密遅延線の真空チェンバーを設置し真空試験を行った。真空チェンバーの中に入れて使用する精密遅延線のパソコンによる制御システムを製作し、駆動実験を行った。また、併行して光ファイバーによる伝送路の基礎実験を行った。来年度初めには、30m本基線全体の組み上げ、調整、試験を行い、MIRA-I.2干渉計システムを完成させる。引き続き恒星の観測を行い、恒星の物理量に関する天文学的データーを取得する。

Research Products

• [Publications] 本間幸洋: "天体光干渉計における波長遅延変調法による干渉縞追尾"計測自動制御学会論文集. 36巻9号. 736-742 (2000)
• [Publications] J.Nishikawa: "Mitaka optical and InfraRed Array first stage (MIRA-I.1) instruments"Proc.of SPIE. 4006. 681-687 (2000)
• [Publications] K.Sato: "Experiments of the fiber-connected interferometer for MIRA project"Proc.of SPIE. 4006. 1102-1106 (2000)