1999 Fiscal Year Annual Research Report
ガモフ・テラー和則の精密測定による核内クオーク自由度の研究
Project/Area Number |
10304018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 英行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90030030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
青井 考 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00311647)
民井 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20302804)
若狭 智嗣 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (10311771)
岡村 弘之 埼玉大学, 理学部, 助教授 (10221144)
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Keywords | ガモフテラー遷移 / 池田和則 / クオーク自由度 / (n,p)反応 / 単色中性子ビーム |
Research Abstract |
本研究は、β^+型GT遷移強度を、中間エネルギー(n,p)反応の微分散乱断面積及び偏極移行係数の精密測定から抽出し、池田の和則との比較から核内におけるクオーク自由度の関与を定量的に明らかにするのが目的である。 この目的のためには、擬単色中性子生成システムならびに標的粒子検出器系が必要である。昨年度は主にこの中性子生成システム部分、クリアラング電磁石、真空散乱槽、多芯線ドリフト型ワイヤーチェンバー(MWDC)を設計・製作した。今年度は、これら装置の稼働デストならびにそのテストに基づき標的粒子検出器系の整備とLASスペクトロメータ焦点面偏極度計(LAS-EPP)の設計・製作を行った。具体的には、 1.大阪大学核物理研究センターに、昨年度製作した擬単色中性子生成システムならびに標的粒子検出器系を設置し、中性子反応実験ビームコースとして完成させた。 2.この中性子反応実験装置の性能調査(R/D)を、300Mevの陽子ビームを使い行った。様々な問題が発生したが、最終的にはバックグランドの非常に少ない測定が可能になった。 3.テスト実験として^1H(n,p)n散乱測定を、300MeV中性子ビームで行った。現在、ほぼ解析が終了したが、この結果は3月末に開催される日本物理学会に於いて発表する予定である。 4.このテスト実験の結果に基づき、昨年度製作したMWDCを標的部粒子検出器系の一部として利用することにした。今年度は、新たに、LASの入り口部にフロントエンド多芯線ドリフト型ワイヤーチェンバー(MWDC)を、昨年のテスト実験の経験に基づき設計・製作した。 5.(n^^→,p^^→)反応測定のための焦点面編極度計(LAS-FPP)の設計・製作を行った。 また、本計画の中の焦点面編極度計の設計・建設に当たって、類似の経験があるオランダのKVI研究所のA.van den Berg 博士のレビュー受けた。 以上の様に、本年度の研究計画は全て当初の予定通り順調に進んだ。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H. Sakai et al.: "Gamaw-Teller, strength in the comtinaum and quenching problem"Nucl. Phys.. A649. 251-259 (1999)
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[Publications] T. Suzuki & H.Sakai: "The Landau-Migdal parameter, g_<NN> and g_<N△>"Physics Letters. B455. 25-29 (1999)
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[Publications] H. Sakai et al.: "Nuclear Responses and Medium Effects"Universal Academy, Frontiers Science Series No 28. 272 (1999)