2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10304019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20201379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保野 茂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20126048)
本間 道雄 会津大学, コンピュータ理工学部, 講師 (40264569)
水崎 高浩 専修大学, 法学部, 助教授 (50251400)
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Keywords | モンテカルロ殻模型 / 殻模型 / 不安定核 / 魔法数 / 量子モンテカルロ対角化法 / 並列計算機 / pf殻 / ガンマ不安定変形 |
Research Abstract |
モンテカルロ殼模型により、様々な原子核の構造研究を行った。中性子数N=20近辺の不安定核について、これまでに偶々核のイラスト状態についての計算は行ってあったが、研究対象を奇核に広げ、さらに、一般の核の非イラスト状態にまで拡張した。奇核の計算では、31Naの基底、及び、第1励起状態の計算を行い、最近の実験で検証された。そらに、F同位体についての計算に進み、これまで説明がつかないままになっていたF同位体の遠くに延びたドリップラインの理論的な説明に成功した。すなわち、N=20の不安定核の構造を大きく支配するシェルギャップの著しい減少が、F同位体のドリップラインをも変えていることを示した。pf殻領域の原子核では、pf殻の中央部分の原子核を記述する有効相互作用が永らく求められてきた。それを、G行列理論の成果を基にしつつ、モンテカルロ殻模型による計算と実験データの比較によって多少修正して実際に決定することに成功した。これにより100個近くの原子核が新たに研究可能になり、それらはrプロセス、rpプロセスなどを通じて天体核物理学上も重要なものである。さらに重い原子核では、Xe,Baの領域で、球形から変形への相転移の研究をまとめて成果として出版し、ガンマ不安定変形についての初めての微視的な計算を行った。それにより、ガンマ不安定変形が、通常の有効相互作用に基づき、ある殼構造を持つ原子核において特徴的に現れることを世界で初めて実証した。以上の研究に関連して、不安定核における魔法数についての、新しい理論を考えだし、未知の魔法数を予言した。平成12年度には、Alpha 21264 667MHzのCPUを搭載したワークステーションを4台導入して、並列計算に加えた。これらにより、計算能力が向上し、さらに系統的な計算が可能になった。アルゴリズムの面では、対基底計算で、パリティの扱いなどで更に改良が進んでいる。また、従来方式の殻模型計算も進めており、160原子核の閉殻構造の破れなどが説明されつつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shimizu,Noritaka: "Transition from spherical to deformed shapes of nuclei in the Monte Carlo shell model"Phys.Rev.Lett. 86. 1171-1174 (2000)
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[Publications] Mizusaki,Takahiro: "pherical-deformed shape coexistence for the pf shell in the nuclear shell"Physical Review C. (印刷中).