2000 Fiscal Year Annual Research Report
九州西方における非島弧的マントルアップウェリング構造の検証
Project/Area Number |
10304034
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 貞臣 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00001850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 博士 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (30253397)
清水 洋 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50178985)
中田 正夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50207817)
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90242172)
亀 伸樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (90304724)
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Keywords | 九州西方海域 / 九州背弧 / 地殻構造 / マントルアップウェリング / 地震トモグラフィ / 沖縄トラフ / 地震走時 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は大きく分けて2つに分類される。1つは1999年9月末より10月上旬まで、九州西方海域で行われた地殻構造の大規模な調査データの解析であり、もう1つは自然地震を観測し、その地震走時を研究したことである。 まず地殻構造調査においては,海底地震計で得られたデータは見かけ速度の変化に富んでいて、地殻上部の構造の複雑さを示していた。得られた地震波速度構造モデルでは、堆積層は二層に分けられ。上部層はP波速度1.7〜1.9km/sの垂直速度勾配が小さい厚さ200〜500mの層であり、下部層は2.0〜3.5km/sの垂直速度勾配がやや大きい層が800〜3500m存在する。上部地殻は二層に分けられ、第一層の上面のP波速度は3.0〜4.9km/sと水平方向に大きく変化している。このことはこの海域において活発なテクトニクスが働いている事を示唆していると考えられる。この層の下面のP波速度は4.2〜5.3km/sである。第二層として、上面のP波速度は5.6〜5.9km/sの層が存在する。この層の下面のP波速度は6.0〜6.2km/sである。海面から上部地殻と下部地殻の境界までの深さは約10kmである。下部地殻の上面のP波速度は6.5〜6.7km/sのである。モホ面の深さは海面から約26kmと求められ、マントル最上部のP波速度は7.7〜7.8km/sと求められた。沖縄トラフで、モホの深さやマントル最上部のP波速度がこのように正確に求められたのは初めてのことである. 自然地震の観測データを使って西日本や九州・琉球弧とそれらの背弧構造を調べるため、平成10,11年度において地震トモグラフィーの研究を行ってきたが、今年度はその結果を使って、特に背弧上部マントルの低速度異常領域について調べた、これはマントルのマントルアップウエリングとの関係で注目される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鈴木貞臣: "地震トモグラフィによる九州背弧のマントル・アップウェリング構造と九州の張力場"月刊地球. 号外NO.27. 211-216 (1999)
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[Publications] Hossein Sadeghi: "A Two-point, three-dimensional seismic ray tracing using genetic algorithms"Physics of the Earth and Planetary Interiors. 113. 355-365 (1999)
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[Publications] Hiroshi Takenaka: "An efficient approach of the pseudospectral method for modelling geometrically Symmetric seismic wavefield"Earth, Planets and Space. 51. 73-79 (1999)
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[Publications] Hiroshi Takenaka: "A Scheme for estimating the location and tangential plane of a reflector"Earth Planets Space. 52. 299-303 (2000)
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[Publications] Yanbin Wang: "Effect of vertical velocity gradient on ground motion in a sediment-filled basin due to incident SV wave"Earth Planets Space. 52. 13-24 (2000)
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[Publications] Hossein Sadeghi: "Tomographic low-velocity anomalies in the uppermost mantle around the northeastern edge of Okinawa trough, the backarc of kyushu"Geophysical Research Letters. 27. 277-280 (2000)