1998 Fiscal Year Annual Research Report
年代決定と地球化学的トレーサによる西南日本弧リソスフェア形成史解明
Project/Area Number |
10304038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
木村 純一 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30241730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 信高 岩手大学, 教育学部, 助教授 (50192646)
吉田 武義 東北大学, 理学部, 助教授 (80004505)
高須 晃 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00183848)
沢田 順弘 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80196328)
飯泉 滋 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80032639)
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Keywords | 年代 / 地球化学 / リソスフェア / 西南日本 |
Research Abstract |
西南日本弧の火山岩,変成岩,花崗岩を対象に,年代決定と地球化学を用いて島弧リソスフェアの形成史を解明するため,誘導結合プラズマ質量分析装置の導入立ち上げを行った.装置はリチウム,希土類,ウラン等30元素について溶液ベースの全岩分析が可能になり,現在稼働中である.分析確度は2倍標準偏差で7%以内の高精度を実現しており,検出下限はほとんどの元素でピコグラム毎グラム以下を達成している.次年度にはレーザーマイクロプローブ局所分析装置を導入予定で,設計を進めつつある.火山岩類については,西南日本弧の飛騨地域の上野玄武岩類,野麦峠,飛騨火山岩類の地質,年代,地球化学について検討し,これらが一連のマントルダイアビルによって生成された活動であることを明らかにした.成果はThe Island Arc誌にて印刷中である.また,西南日本弧山陰地域の三瓶および大山火山の爆発的噴火による火山灰層について地質調査とフィッショントラック年代測定を実施して,これらの火山群ではそれぞれ過去10万年間,過去35万年間の間におよそ2万年に1回の割合で噴火が起こったことを明らかにした.成果は第四紀研究にて印刷中である.今後,中国地域各地の第四紀火山岩類のK-Ar年代測定と微量元素,同位体測定を行う予定である.花崗岩,変成岩については,四万十帯緑色岩の変成作用に伴う元素移動に関する研究を行い,岩鉱にて印刷中である.その他は試料のサンプリングを進めるとともに,年代決定のため電子線マイクロアナライザーを用いたウラン-トリウム-全鉛(CHIME)法や希土類分析を確立するため,標準物質を購入して基礎実験を開始した.また,表面電離型質量分析装置を用いたRb-Sr,Nd-Sm年代測定,誘導結合プラズマ質量分析装置による微量元素分析とを進めつつある.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Jun-Ichi Kimura: "Mantle diapir induced arc volcanism : the Ueno Basalts,Nomugi-Toge and Hida volcanic suites,Centrat Japan" The Island Arc. 8・2. 未定 (1999)
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[Publications] 木村純一: "大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義" 第四紀研究. 38・2. 145-155 (1999)
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[Publications] 麻木孝郎: "徳島県南部に分布する四万十帯玄武岩類の変質作用" 岩鉱. 94(未定). (1999)