1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子スピニクスのための高磁場Wバンド量子位相FTパルス電子磁気共鳴法の開発
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10304049
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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| Research Institution | Osaka City University |
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Principal Investigator |
工位 武治 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10117955)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 大輔 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (40260799)
佐藤 和信 大阪市立大学, 理学部, 講師 (90264796)
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| Keywords | 分子スピニクス / 高磁場高周波ESR / パルスESR / 電子スピンニューテーション分光 / 有機磁性 / 分子磁性 / 磁気双極子擬スピン波 / 高スピン分子 |
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| Research Abstract |
本年度は、新分子・物質開発の課題では、強スピン分極型安定高スピンサイトを有し、自己集積化官能基をもたせるための化学修飾を容易にするπ共役骨格としてポリフェニレンをもつ高スピンポリフェニレンオリゴニトレン(スピン量子数S=2、3)とポリフェニレンオリゴカルベン(S=2,3)の前駆体を設計し、ニトレン系の合成を完了した。これらはいずれも、液晶モデル系と水素結合モデル系へ展開するための基本高スピン単位となる分子である。剛体溶媒中極低温にて、光照射によってビスおよびトリスニトレンを発生させ、通常のCW-ESR微細構造スペクトルを観測し、数値的な厳密解固有磁場法によってスペクトル全解析を行った。その結果、5重項および7重項の高スピン状態が安定な電子的な基底スピン状態であることが分かり、決定された微細構造定数にもとづいて分子構造を決定した。ポリフェニレン骨格では、強いπスピン分極を形成されており、その強さの程度はメタフェニレン骨格と同等であることが実験的に分かり、理論的な予想とよく一致したので、化学修飾可能なπ共役骨格であると結論できた。
高周波/高磁場Wバンド電子スピン共鳴装置の立ち上げは、6T磁場掃引ヘルムホルツ型超伝導マグネットの高均一度磁場を発生するシム構造の部分設計から着手し、シム電流メイン電流一体型とした。掃引磁場領域が小さい場合には、外部コイルによる掃引方式とし、電源コントロール部を除いて製作を終了した。
本研究でとりあげた人工磁性超格子系に固有の巨大磁気双極子由来のスピン定在波は、新しい物質波であるので、そのセミマクロな磁気的性質を明らかにするためのマイクロ波の平行励起実験装置のセットアップを完了した。
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[Publications] Kosaburo Goto: "A Stable Neutral Carbon Radical:Synthesis,Crystal Stucture and Physical Properties of 2,5,8-Tri-tert-butyl-phenalenyl" J.Am.Chem.Soc.(印刷中). (1999)
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[Publications] M.C.B.L.Shohoji: "Polyanionic High-Spin Hydrocarbons with High Symmetry" Synthetic Metals. (印刷中). (1999)
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[Publications] K.Ohashi: "4,8,12,16-Tetra-tert-butyl-s-indacenol[1,2,3-cd:5,6,7-c'd']・diphenalene:A Four-Stage Amphoteric Redox System" J.Am.Chem.Soc.120. 2018-2027 (1998)
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[Publications] Hideo Tomioka: "Persistent High-Spin Polycarbene,Generation of Polybioncinated 1,3,5-Tris(2-[4-(phenylcarbeno)phenyl Tethyl]benzene(S=3)and Spin Identification by 2D Electron Spin Transient Nutation Spectroscopy" J.Am.Chem.Soc.120. 1106-1107 (1998)
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[Publications] Masatoshi Kozaki: "Preparation and Characterization of Novel DPPH-based Diradicals" Tetrahedron Letters. 39. 5979-5982 (1998)
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[Publications] Daisuke Shiomi: "Possible Superhigh-spin cluster in the Crystals of a Novel Nitronyl Nitoroxide Radical as Studied by FI Puked ESR" Mol.Cryst.Liq.Cryst.(印刷中). (1999)
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[Publications] Takeji Takui: "Magnetic Properties of Organic Molecules" Marcel & Dekker Inc., 450 (1999)
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[Publications] 朽津耕三: "物質の科学・量子化学" 放送大学教育振興会, 390 (1998)
