2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10304058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲辺 保 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20168412)
芥川 智行 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (60271631)
長谷川 達生 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (00242016)
武田 定 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00155011)
阿波賀 邦夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10202772)
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Keywords | 超分子イオン / 金属ジチオレン錯体 / イオン伝導 / 分子性導体 / クラウンエーテル / バンドフィリング制御 |
Research Abstract |
1.新奇超分子イオン場の構築 昨年度に引き続き、対イオン・ポリエーテル・ジチオレン系金属錯体について種々の組合せを用い、超分子イオン場を持つ分子性導体の構築を行った。対イオンとしてアルカリ金属やアルカリ土類金属の他に、Scなどの3価の金属も対象とした。ポリエーテルとして通常の環状ポリエーテルだけでなく、ジシクロヘキシル、ジベンゾなどの置換体、金属錯体としてNi,Pd,Pt,Au-dmit錯体およびmnt錯体を用い、結晶作製を行った。さらに、新奇な磁性が期待できる系として、Ni-dmitの1価塩に注目し、超分子カチオン構造を利用して、Ni-dmitの配列制御を行い、種々の磁性を示す結晶を得た。とくに、アリールアンモニウムなどの有機物カチオンを用いて、カウンターカチオンの形態を変化させることで、大きく配列構造を変換できることが明らかとなった。 2.バンドフィリング制御 Cs^+-18crown6-Ni(dmit)_2錯体については、作製条件により結晶中のCs^+含有量が変わること、室温ですでにCDW状態にあり、2k_Fの反射がX線で観察されるため、そこからバンドのフィリング量が原理的に求められることが判明した。Cs^+含有量の異なる種々の結晶を作製し、遍歴電子数に対応する2k_Fの反射測定を行い、バンドのフィリング量を正確に求め、伝導挙動との相関を検討した。ただし、フィリング量を大きく変えることはかなり困難であることが判明した。 3.LB膜化の検討 24員環のポリエーテルにTTF環が2個結合した系について、水面上でのイオン認識能を検討した。イオンの有無により単分子膜の界面化学的挙動およびモルホロジーが大きく変化することを明らかにした。水面上の単分子膜および基板上のLB膜を作製し、膜構造を単分子膜についてはBAM、LB膜については偏光スペクトル、透過およびRAS-IR,AFMを用いて評価した。特定の条件下では、分子ワイヤー構造も得られることが判明した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] K.Ikegami: "Structural Change in Langmuir and Langmuir-Blodgett Films of AlkylDCNQI Induced by Charge-Transfer Reaction at the Air-Water Interface"J.Chem.Phys.. 112. 881-886 (2000)
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[Publications] N.Takamatsu: "One-dimensional Antiferromangetic Chain in [Ni (dmit)_2]^- Salts of [K^+ or Rb^+ (4, 13-diaza-18-crown-6) Supramolecular Cation"Inorg.Chem.. 39. 870-871 (2000)
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[Publications] T.Akutagawa: "M^+ (12crown-4) Supramolecular Cations (M^+=Na^+, K^+, Rb^+ and NH_4^+) within Ni (dmit)_2 Molecular Conductor"Inorg.Chem.. 39. 2645-2651 (2000)
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[Publications] T.Akutagawa: "Co^<II> (15-crown-5) Magnetic Supramolecular Cation in [Ni (dmit)_2]^-?-spin System"J.Phys.Chem. 104. 5871-5873 (2000)
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[Publications] T.Nakamura: "Conducting Langmuir-Blodgett Films of Bis [bis (methylthio) tetrathiafulvalenedithiolate] -gold Complex"Chem.Lett. 134-135 (2001)
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[Publications] T.Akutagawa: "Tuning of Intramolecular π-π Overlap Mode of Tetrathiafulvalene bisannulated Macrocycles in the Open-Shell Electronic State"Chem.Lett. 132-133 (2000)
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[Publications] N.Takamatsu: "M^+ (Crown Ether) Supramolecular Cations (M^+=K^+, Rb^+, NH_4^+) for Controlling Magnetic Properties of Monovalent [Ni (dmit)_2] Salts"Mol.Cryst.Liq.Cryst... 343. 163-168 (2000)
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[Publications] T.Hasegawa: "Mixed-Stack Organic Charge-Transfer Complexes with Intercolumnar Networks"Phys.Rev.B. 62. 10059-10066 (2000)
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[Publications] T.Akutagawa: "Crystal Structure of Tetrathiafulvalene Multiannulated Macrocycles in Open-Shell Electronic State"Mol.Cryst.Liq.Cryst. 349. 379-382 (2000)
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[Publications] T.Akutagawa: "Supramolecular Aspects of Organic Conductors"Handbook of Advanced Electronic and Photonic Materials,. 3. 267-301 (2000)