1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10304059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廉 罕雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50282504)
近藤 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (80302800)
横山 利彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20200917)
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Keywords | 磁気円偏光二色性(XMCD) / X線吸収分光(XAFS) / 表面磁性 / 磁性薄膜 / 吸着分子 |
Research Abstract |
本研究は,放射光を利用した磁気円偏光二色性(XMCD)測定を通して,磁性薄膜と吸着分子の磁気的相互作用を調べ,さらにX線吸収分光法を併用することにより,表面構造と表面磁性の関係を検討することを主な目的とする。今年度は初年であり,測定装置の開発を中心に研究を進めた。まず,標準的な超高真空槽を設計・製作し,これに冷凍機(到達温度〜l0K),低速電子線回折装置,電子収量測定用大口径マイクロチャンネルプレートなどを導入し,極低温下で表面磁性を観測できるシステムを開発した。冷凍機には液体Heより簡便なクライオミニを用いることにした。現在納入が完了し立ち上げを始めている段階である。一方,これと平行して既存の真空槽を改良して液体窒素温度でXMCD測定が可能なシステムとし,XMCD測定を既に始めた。系としてCu(100)単結晶表面にCo,Ni薄膜を成長させ(薄膜状態ではCoもfcc構造をとる),この上にさらにO原子,CO分子などを吸着させ,金属薄膜の磁化をCo,NiL2,L3吸収端XMCDで,吸着原子分子に関してはO-K吸収端XMCDを用いて磁化観測を試みた。O原子に関しては吸着量の増大(酸化の進行)とともに金属の磁化が減少することが観測されるとともに,表面吸着状態ではO原子自体も基板磁性金属と同じ方向に磁化していることが観察できた。吸着原子分子の磁化を直接観測できたことはおそらくこれまでに報告がなく,価値のある実験結果を得たといえる。COなどの分子に関してはまだ十分なデータが得られていないが,今回作成した新しいシステムを用いて引き続き次年度以降検討していく。
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