1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規エネルギー変換型光触媒による水分解のダイナミクス
Project/Area Number |
10304060
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堂免 一成 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10155624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 淳子 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60234936)
和田 昭英 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (20202418)
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Keywords | 層状化合物 / インターカレーション / 発光寿命 / 光励起 / 緩和過程 / 光触媒 |
Research Abstract |
平成11年度はK_2La_2Ti_3O_<10>の発光寿命の測定とルテニウム錯体を層間にインターカーレトしたK_4Nb_6O_<17>の時間分解過渡スペクトル測定を行った。K_2La_2Ti_3O_<10>は水和物の発光寿命が無水和物に比べて著しく短い事がわかった。K_2La_2Ti_3O_<10>の層間が水和することにより格子振動モードに大きな変化が起こることと両者の発光スペクトルに大きな変化がなかったことから、観測された発光寿命の減少は水和による格子振動モード変化による電子(正孔)-格子相互作用の変化に帰属した。現在、K_2La_2Ti_3O_<10>のカチオン種を変化させることで格子振動モードを変化させ、発光寿命の変化について調べ、光励起された電子(正孔)の緩和過程や光触媒活性との関わりについて検討を進めている。K_4Nb_6O_<17>に関しては、ポンプ光(波長:400nm、時間幅:200fs)で層間に挿入したルテニウム錯体を励起し、生じた吸収スペクトルの変化をプローブ光の透過率変化で観測した。その結果、ポンプ光入射直後200fs以内にに錯体による吸収の減少が生じ、その後2成分(τ1=150±30ps、τ2=1ns以上)の寿命で吸収が回復していく様子が観測され、緩和挙動はバンド内及びバンド間のキャリア緩和を反映していると考えられる。今後はキャリアの緩和過程と光触媒活性の関係をより詳細に検討するために、温度依存性や金属を担持させた試料について実験を行っていく予定である。
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