1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10304063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 裕穂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10165293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出村 拓 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40272009)
杉山 宗隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (50202130)
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Keywords | シロイヌナズナ / 維管束 / 突然変異体 / ブラシノステロイド / ヒャクニチソウ / 管状要素分化 / 極性 / 抗体 |
Research Abstract |
1.シロイヌナズナ突然変異体を用いた解析:これまでに単離した維管束パターン変異体7種、すべてのマッピングを終了した。このうち、van3について詳細に解析した。前形成層特異的に発現するAthb8遺伝子プロモーターとGUSの融合遺伝子を用いた解析から、van3の変異は個別の維管束細胞分化の異常ではなく、前形成層のパターン形成異常であることが明らかになった。 2.ヒャクニチソウ葉肉細胞からの管状要素分化系を用いた前形成層分化と分化決定の解析: (1)管状要素分化誘導・促進における細胞相互作用を明らかにするためのバイオアッセイ系として、アガロースの小滴の中に細胞を埋め込む"ビーズ法"を確立した。 (2)ブラシノステロイドを定量した結果、細胞は二次細胞壁合成(ステージ3)直前に多量のブラシノステロイドを蓄積するようになることが明らかになった。蓄積されるブラシノステロイドはデオキソティファステロール、デオキソカスタステロンが圧倒的に多く、その他、ティファステロール、カスタステロンの合成が見られた。細胞外にも、多量のブラシノステロイドが分泌され、その組成が細胞内と異なることが明らかになった。 (3)昨年度単離した抗体のうち、CN8と名づけた抗体は、管状要素分化誘導条件でのみ発現する細胞壁抗原を認識した。この抗体を用いた解析から、管状要素の細胞壁成分が極性を持って分布していること、この分布には隣接した細胞間の相互作用が必要ないこと、そして単細胞においても明確な上下の違いがあることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Usuda, H.: "Development of sink capacity of the "storage root" in a radish cultivar with a high ratio of "strong root" to shoot"Plant Cell Physiol.. 40. 369-377 (1999)
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[Publications] Tokuji, Y: "A rapid method for transformation of carrot (Daucus carota L.) by using direct somatic embryogenesis"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 63. 519-523 (1999)
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[Publications] Tandon, P.: "Incorporation of fluorescence-conjugated anti-mouse immunoglobulin G into permiabillized Nicotiana tabacum BY-s cells"Plant Sci.. 140. 63-69 (1999)
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[Publications] Usuda, H.: "Development of sink capacity of the "strong root" in a radish cultivar with a low ratio of "storage roof" to shoot"Plant Cell Physiol.. 40. 1210-1218 (1999)
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[Publications] Shinohara, N.: "Isolation of a vascular cell wall-specific monoclonal antibody recognizing a cell polarity by using a phage display subtraction method"Proc. Natl. Acad. Sci. USA.. (in press). (2000)
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[Publications] Hiwatashi, Y.: "Tissue-specific localization of mRNA for carrot homeobox genes, CHBs"Plant Cell Physiol.. (in press). (2000)
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[Publications] 福田裕穂: "維管束の分化"植物細胞工学シリーズ12. 12. 212-222 (1999)
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[Publications] 福田裕穂: "植物における形態形成-植物から学ぶしくみ"生体の科学. (印刷中). (2000)