1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10305007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
|
Keywords | 単一微粒子 / 光共振現象 / 微小球レーザー / 時間分解分光 / イントラキャビティ分光 / レーザーマニピュレーション |
Research Abstract |
本研究では単一微粒子の内部、特に表面・界面層で起こる光物理・光化学現象を高感度・高精度に計測することを目的とし、微粒子を光共振器として利用した全く新しいダイナミック分光計測法を開発している。 1. 微粒子界面層のダイナミック分光法の理論的解析 微粒子における光共鳴現象はフォトニッククリスタル等の光閉じ込め現象と同様なメカニズムによるものであるが、共鳴現象の時間・空間特性を理論的に解析することは複雑であり、コンピュータを利用した数値解析手法が不可欠である。まず、波動理論に基づいて微粒子の粒径、屈折率、吸収係数、物質の濃度などをパラメータとして微粒子の内部および界面近傍の電場分布を計算するとともに、共振波長やQ値を解析した。共鳴電場と微粒子内の分子との相互作用についてシンプルな系を仮定してシミュレーションした。解析結果から微粒子の動的分光計測に最適な光学系や実験条件を求めると共に、時間分解能や計測精度・感度について検討した上で、単一微粒子の時間分解分光計測法を開発し実験システムを設計した。 2. 微粒子界面層の高感度分光システムの試作 半導体励起パルスレーザーからの発振ポンプ光と被測定分子の励起光を調整光学系を通して光学顕微鏡に導き、微粒子に照射する装置を設計に基づいて作製した。また微粒子からの発光は、現有のピンホール、スループットの高い分光器およびマルチチャンネル検出器によりスペクトル測定を行なった。蛍光の測定には時間相関単一光子検 出装置を試作し、高感度にスペクトルおよび時間分解過渡波形を観測した。さらに、現有のCW YAGレーザーを顕微鏡に装着してレーザートラッピング法により微粒子を捕捉・操作する単一微粒子の分光測定システムを試作した。
|
Research Products
(1 results)