1999 Fiscal Year Annual Research Report
電力用高温超伝導機器の耐電圧向上法と絶縁設計技術の確立
Project/Area Number |
10305021
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 雅則 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (30039127)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今坂 公宣 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (40264072)
末廣 純也 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (70206382)
|
Keywords | 高温超伝導機器 / 沸騰現象 / 絶縁設計技術 / クエンチ / 気泡挙動 / 部分放電 / ヒータパワー / 放電電荷量 |
Research Abstract |
本研究は、極低温環境下における高温超伝導機器のクエンチ時の冷媒液体の沸騰現象を調べるとともに、このような環境下での部分放電現象を解明し、高温超伝導機器の絶縁設計技術の確立を資することを目的とする。本年度は、昨年度に開発した高電界用液体窒素クライオスタットを用いて熱気泡が介在する条件下の部分放電現象の解析とモデル化を中心に研究を行った。以下に得られた主な結果を示す。 1.電圧を印加しないときの沸騰開始のヒータパワーは、圧力が高く、冷却チャンネル幅が長いほど大きくなることを確認した。 2.電圧印加時の沸騰開始のヒータパワーは、電界による冷却促進効果により、印加前より上昇することがわかった。また、気泡はスパイラル状に移動しながら消滅、ある大きさを保ってコイル間に滞留、最短ギャップを浮上、とその挙動が変化することがわかった。さらに気泡の発生から最短ギャップ浮上までのヒータパワーの差は、圧力が高く、冷却チャンネル幅が広いほど大きくなることを明らかにした。 3.部分破壊開始電圧は、圧力の上昇に伴って上昇し、その特性は気泡挙動に大きく影響されることがわかった。また、部分破壊時のパルス数は圧力上昇により減少するが、最大電荷量は大きくなるため、絶縁物の劣化促進に影響することを示唆した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Tsuru: "PD Characteristics and Mechanisms in Artificial Air-Filled Voids at Room and Liquid Nitrogen Temperatures"LEEE Trans.on Dielectrics and Electrical Insulation. Vol.6,No.1. 43-50 (1999)
-
[Publications] B,Y.Seok: "A study of Thermal Bubble Behavior in the Simulated Electrode System of HT Superconducting Coils"LEEE Trans.on Dielectrics and Electrical Insulation. Vol.6,No.1. 109-116 (1999)
-
[Publications] 末廣純也: "液体窒素中の複合絶縁系部分放電特性に及ぼす熱気泡と圧力の影響"電気学会論文誌A. Vol.119-A,No.3. 299-304 (1999)
-
[Publications] 石 福烈: "超伝導限流器環境下における熱気泡挙動のシュミレーションと観察"電気学会論文誌A. Vol.119-A,No.6. 835-840 (1999)
-
[Publications] M.Hara: "DC Pre-Breakdown Phenomena and Breakdown Characteristics in the Presence of Metallic Particle in Liquid Nitrogen"Proc,of 1999 LEEE 13th Int,Conf.on Dielectric Liquids. 457-461 (1999)
-
[Publications] S.Tsuru: "Partial Discharge Degradation of Solid Insulators with Air-Filled Void at liquid Nitrogen Temperature"Proc,of 1 1th Int,Sympo,on High-Voltage Engineering. 369-372 (1998)