衛星同期集中/常時共同観測による水・熱循環過程のスケール効果解明に関する総合研究-琵琶湖プロジェクト第2ステージ

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10305037
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70183506)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田中 賢治 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30283625) ; 近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教授 (30201495) ; 戎 信宏 愛媛大学, 農学部, 助教授 (60176782) ; 吉田 弘 徳島大学, 工学部, 助教授 (10210717) ; 田中 隆文 名古屋大学, 農学部, 助手 (40192174)
• Keywords: 琵琶湖プロジェクト / 水文陸面過程 / リモートセンシング / スケール効果 / 水循環 / 蒸発散 / 土壌水分 / 共同観測

Research Abstract

(1)夏期共同観測
1999年7月26日〜31日にかけて,(1)スケール効果解明のための夏期の卓越現象である湖陸風の出現と内部構造をおさえることを目的とした衛星同期夏期共同観測を実施した。観測内容としては,(1)伊香高校千田農場跡および湖岸スポーツの森におけるゾンデ観測による約6000m高度までの風向・風速・気圧・気温・湿度の観測/ドップラーソーダー(音波)による400m高度までの風向,風速/係留気球による400m高度までの気温・湿度の観測,(2)人工衛星および地上設置の近赤外・赤外放射センサーによる水田からの放射量の観測,(3)水田における,水・熱フラックス,放射収支の観測,休耕田での土壌水分量分布の観測,(4)GPSによる水蒸気量観測,を実施した。
(2)常時観測装置
昨年度設置が完了した森林域並びに水田での常時観測装置に続き,本年度は7月の集中観測の前に,湖面並びに都市域での常時観測装置の設置が完了し,現在初期の目的通り,森林域,水田,湖面,都市域の4常時観測システムで運用がなされている。湖面観測装置は,滋賀県の協力を得て滋賀県衛生環境センターの水質モニタリングステーションである琵琶湖北湖湖心局のタワーに設置されている。都市域観測装置は,株式会社関西電力の協力を得て長浜変電所内の40m鉄塔に設置されている。現在は,様々な保守を継続しながら,各種土地利用の熱収支の日変化,季節変化ならびに都市域と湖面や周辺部との関係を解析中である。

Research Products

• [Publications] 大石哲,中北英一 他: "GPS大気遅延量のパワースペクトルを用いた小規模水蒸気攪乱の変動特性解析"土木学会水工学論文集. 44. 67-72 (2000)
• [Publications] 田中賢治 他: "陸面過程モデルにおける土壌水分量の役割"土木学会水工学論文集. 44. 157-162 (2000)
• [Publications] 西川敦,戎信宏,田中隆文他: "急斜面上の森林の設置気象特性"第2回水文過程のリモートセンシングに関するワークショップ論文集. 119-124 (2000)
• [Publications] 戎 信宏: "NDVIを用いた山林地流域の蒸発散量推定"第2回水文過程のリモートセンシングに関するワークショップ論文集. 125-134 (2000)
• [Publications] 近藤昭彦,樋口篤志: "草地における分光反射輝度と蒸発散量の関係"第2回水文過程のリモートセンシングに関するワークショップ論文集. 79-84 (2000)
• [Publications] 中北英一,長澤光弥,池淵周一: "降雨-蒸発過程における長期観測情報の面代表性に関する-考察"京都大学防災研究所年報. 43(印刷中). (2000)