2000 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の建設生産・管理システムの信頼回復と国際競争力の復権
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10305038
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
國島 正彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00201468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 健定 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50293999)
湊 隆幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70271591)
小澤 一雅 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80194546)
島崎 敬一 日本大学, 理工学部, 教授 (50162665)
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30239743)
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Keywords | 建設生産・管理システム / 公共工事 / 国際競争力 / 建設プロジェクトの計画設計評価 / コスト管理 / 毎月支払い方式 / 前払金 / 建設プロジェクトの事後評価 |
Research Abstract |
平成12年度は、我が国の建設生産・管理システム,特に公共工事に対する国内社会からの不信感,および,国際建設市場における収益性に欠けるという国際競争力のなさ、という2種類の悪評判を克服できる具体的方策の開発を目指した。前者の原因は,建設プロジェクトの計画設計段階における代替案に対する評価決定システムの不備及び建設プロジェクトの事後評価の欠如であること,後者の原因は,建設プロジェクトの執行過程におけるコスト管理の欠如,すなわち,建造物の品質管理と工期管理(工程ではない)が最重要視され、お金やコストにこだわらないおおらかな気風が行き過ぎたドンブリ勘定症候群に冒されているため、等が分かった。 建設プロジェクトの計画設計を、科学的手法による照査と個人の意思決定を組み合わせて実行できる評価手法(コンピュータソフトプログラム含む)の開発に成功した。 全ての公共工事において、工事請負契約書の締結直後に、契約工事金額の30%から40%もの沢山の前払金を支払うこと、および毎月支払いをしない、という我が国の公共工事のやり方は、国際的には著しく独特かつ例外的であることを実証し、社会からの不信感と国際競争力の不足とドンブリ勘定症候群との因果関係を論証し、この悪性慢性病を治癒させる処方箋、すなわち、本研究の目的である、「我が国の建設生産・管理システムの信頼回復と国際競争力の復権」を実現できる将来ビジョンと行動計画は、公共工事を「毎月支払い方式」に変更すると共に、前払い金制度を抜本的に見直すことであることを提唱した。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] Bui Trong CAU: "A Decision-Making Method on Design Alternatives for Construction Projects"土木学会 建設マネジメント研究論文集. Vol.8. 11-23 (2000)
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[Publications] Reginald MACDONALD: "A Project-Level Conceptual Framework for Privately Financed Infrastructure In the People's Republic of China"土木学会 建設マネジメント研究論文集. Vol.8. 101-112 (2000)
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[Publications] 宋虎斌: "建設災害防止における設計者の役割に関する基礎的研究"土木学会 建設マネジメント研究論文集. Vol.8. 131-140 (2000)
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[Publications] 赤坂幸雄: "リスクマネジメント手法開発のためのコスト分析-請負増加率と原価増加率の関係について-"土木学会 建設マネジメント研究論文集. Vol.8. 83-92 (2000)
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[Publications] 島崎敏一: "建設CALS/ECの導入の落札価格への定量的影響"土木学会 建設マネジメント研究論文集. Vol.8. 75-82 (2000)
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[Publications] 吉田恒昭: "アジアの経済成長と貧困削減:実績と将来の開発援助戦略への示唆"「21世紀の開発戦略研究委員会」報告書. 104-113 (2000)
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[Publications] 吉田恒昭: "日本のインフラ整備の経験と開発協力"国際協力銀行 開発金融研究所報. 増刊号. 69-98 (2000)
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[Publications] Tsuneaki Yoshida: "Japan's Experience In Infrastructure Development and Development Cooperation"Japan Bank for International Cooperation Review. No.3. 62-92 (2000)
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[Publications] H.Song: "The Roles of Client and Designer for Construction Safety Design In Japan"Designing for Safety and Health Conference. 167-173 (2000)
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[Publications] 國島正彦: "4つの道への評価を"都市更新、都市建設. 28-30 (2000)
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[Publications] 岡田宏: "グローバル企業への飛躍の条件"土木学会誌. Vol.85. 44-50 (2000)
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[Publications] 岩橋健定: "排出権取引制度と法律家の思考枠組"日本エネルギー法研究所 月報. 第145号. 1-4 (2000)
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[Publications] 岩橋健定: "公害民事訴訟における「公共性」の意義"公法学の法と政策. 下巻. 179-204 (2000)
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[Publications] 岩橋健定: "行政の任務とその現代的課題"tokugikon. No.212. 12-17 (2000)
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[Publications] 岩橋健定: "女川原子力発電所運転差止訴訟控訴審判決"ジュリスト. 49-50 (2000)
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[Publications] Andi: "Design Documents Quality In Japanese Construction : Survey of Its Causes and Impacts on Construction Process"Third International Conference on Construction Project Management. (発表予定). (2001)
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[Publications] Andi: "On Representing Causal Mechanism of Defective Design : A System Approach Considering Human Errors"Third International Conference on Construction Project Management. (発表予定). (2001)
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[Publications] 金本良嗣 編: "日本の建設産業"日本経済新聞社. 296 (1999)