1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体細胞型セラミックスの構築による新規物理特性の発現
Project/Area Number |
10305057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松尾 伸也 (八尾 伸也) 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊豆 典哉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00304014)
小俣 孝久 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80267640)
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Keywords | プロトン溶解 / プロトン伝導 / パイロクロア構造 / 水蒸気溶解 / 固体イオニクス / 光吸収 / 塩基度 / 内部電流 |
Research Abstract |
アルカリ土類元素をパイロクロア型酸化物Ll_2Zr_2O_7のBサイトにドープした場合には水蒸気はホールの消耗を伴わずに溶解するのに対して、Aサイトにドープした場合にはバルクのホールを消耗しながら水蒸気は溶解することが示唆されている。2種類のバルクの間には水蒸気の溶解に伴い、ホールの電気化学ポテンシャルの差異が生じ、電流が流れることになる。この2種類の相(細胞)を生体のように細かく混ぜ合わせたセラミックス(生体細胞型セラミックス)は、外部の雰囲気の変化に応じて細胞間に電子電流およびイオン電流が流れることになり、その結果、外部雰囲気ガスに速やかな化学作用を及ぼすことが期待される。本研究では、h^+に関係する反応と無関係な反応を独立に制御するための因子を確定することであり、Ca^<2+>,Sr^<2+>,Ba^<2+>をLa_2Zr_2O_7、のAサイトおよびBサイトにドープした試料について、水蒸気溶解挙動、光吸収スペクトル、プロトン伝導を測定し比較した。Bサイトにドープした試料においてはプロトンの溶解度はドープ剤の塩基度に準じて大きくなったが、Aサイトにドープした試料の場合には明確な傾向は認められなかった。電気伝導度はAサイトにドープした場合に格段に大きくなった。プロトンの溶解に特有の光吸収スペクトルを観測することができたが、この吸収はプロトンの溶解に伴って起きる酸素イオンの導入によって引き起こされる可能性もある。光吸収スペクトルはAサイトドープとBサイトドープで明らかに異なった。これらの結果から生体細胞型セラミックスの設計にはAサイトドープとBサイトドープのバルク剤を組み合わせるのが望ましいことが分かった。
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