2000 Fiscal Year Annual Research Report
メンブレンリアクターを用いたメタン部分酸化による合成ガス製造
Project/Area Number |
10305061
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊地 英一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 幹弘 早稲田大学, 理工学部, 助手 (50308194)
上宮 成之 成蹊大学, 工学部, 助手 (60221800)
松方 正彦 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00219411)
小倉 賢 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | メンブレンリアクター / 部分酸化 / 酸素透過膜 / ペロブスカイト / SFC / 多孔質アルミナ / メタン / 合成ガス |
Research Abstract |
本年度は、酸素透過メンブレンリアクターの開発のため、複合酸化物を用い酸素透過膜の製作を行った。ペロブスカイトではSr-Fe-Co系(SFC)を用い、高酸素透過性能を実現するために、アルミナ多孔質上での製膜およびSFC非対称膜の作成を目指した。 まず、アルミナ多孔質基材上での製膜を検討した。アルミナ基材上では、基材中のAlと構成金属であるSrが、製膜中および透過実験中に反応し、酸素透過性能が低下した。そこで、アルミナ粉末とSFC粉末を混合し、空気中にて900℃に保ちXRD回折線の経時変化を測定したところ、SFCの回折線が徐々に小さくなりSrAl_2O_4の回折線が現れた。これより透過試験を行う900℃においてAlとSrの反応が進行することがわかった。次に、この反応を抑制すべく、基材表面をMg(NO_3)_2処理した。細孔径1μmのアルミナ基材を1mol/lのMg(NO_3)_2溶液に浸析後、1100℃で6時間焼成を行った。Mg処理により、Mg処理しない場合と比較して、製膜後のSrAl_2O_4の回折線が小さくなったことから、基材との反応を抑制することができた。 アルミナ基材を用いる場合は、常に、基材と構成金属の反応を考慮しなければならない。そこで、SFCのみで構成される非対称膜の作成を試みた。通常、SFC自立膜はSFC粉末を圧縮成型し、焼成することで製膜されている。ここでは、熱分解性粉末を利用して非対称膜の製膜を行った。まず、成型器に微量のSFC粉末を投入し、その後、30vol%のエチルセルロースを含むSFC混合粉末を投入する。3800kgf/cm^2にて加圧し、1150℃で10時間焼成した。最初に投入したSFC粉末が緻密部分になり、SFC混合粉末中のエチルセルロースは焼成中に熱分解し非対称膜が得られる。投入するSFC粉末の量で緻密部分の膜厚を制御し、SEM観察の結果、130μmの緻密層をもつ非対称膜を得た。膜厚1.1mmの対称膜と900℃における酸素透過性能を比較したところ、非対称膜では1.1×10^<-1>ml/cm^2min、対称膜では9.8×10^<-3>ml/cm^2minと、約10倍の酸素透過流束であった。このときの透過の活性化エネルギーは、非対称膜、対称膜それぞれ83kJ/mol、88kJ/molと、ほぼ一定であり、有効膜厚を小さくしたことで、高い酸素透過性能を実現した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Lin,Kikuchi,Matsukata: "Preparation of mordenite membranes on α-alumina tubular supports for pervaporation of water-isopropyl alcohol mixture"Chemical Communication. 2000. 957-958 (2000)
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[Publications] Matsufuji et al.: "Synthesis and permeation studies of ferrierite/alumina composite membranes"Microporous and Mesoporous Materials. 38. 43-50 (2000)
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[Publications] Ogura et al.: "Remarkable Enhancement in Durability of Pd/H-ZSM-5 Zeolite Catalysts for CH_4-SCR"Applied Catalysis,B:Environmental. 27. L213-L216 (2000)
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[Publications] Matsufuji et al.: "Separation of butane and xylene isomers with MFI-type zeolitic membrane synthesized by a vapor-phase transport method"Journal of Membrane Science. 178. 25-34 (2000)
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[Publications] Ogura et al.: "Formation of uniform mesopores in ZSM-5 zeolite through treatment in alkaline solution"Chemistry Letters. 2000. 882-883 (2000)
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[Publications] 松方正彦,小倉賢: "ドライゲルコンバージョン法によるゼオライト合成"機能材料. 20. 64-73 (2000)
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[Publications] 松方正彦 ら(共著): "ゼオライトの科学と工学(小野嘉夫,八嶋建明 編)"講談社サイエンティフィク. 260 (2000)