1999 Fiscal Year Annual Research Report
アジアイネとアフリカイネ間の種間交雑稲における生理・生態学的特性に関する研究
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10306002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 龍一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 治人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60225886)
山岸 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50143409)
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Keywords | アフリカイネ / オリザグラベリマ / 種間交雑稲 / 沈水抵抗性 |
Research Abstract |
近年、西アフリカ稲開発協会(WARDA)でアフリカイネ(Oryza glaberrima Steud)とアジアイネ(Oryza sativa L.)との種間雑種イネが作出された。このイネは不良環境に対する耐性、病害虫に対する耐性が強いと言われている。不良環境に対する耐性は、アフリカイネの特性に由来すると考えられるので、平成11年度においては、アフリカイネの沈水抵抗性機構を調べた。アフリカイネの4系統、アジアイネのインド稲品種(IR36)、日本稲品種(農林30)を沈水条件におき、沈水後の変化を追った。その結果、日本稲品種では光合成速度もクロロフィル濃度も沈水後急激に低下したが、アフリカイネの4系統では比較的高い値が維持されていた。さらに、アフリカイネの4系統では沈水後節間伸長を起こしたが、日本稲品種はほとんど節間伸長を示さなかった。印度稲は両者の中間的傾向を示した。これらのことから、アフリカイネは沈水条件に対する生理的体制機構と形態的回避機構とを有していることが示された。したがって、アフリカイネとアジアイネとの種間雑種イネにおいても沈水抵抗性が強いと考えられた。
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