2000 Fiscal Year Annual Research Report
アジアイネヒアフリカイネ間の種間交雑稲における生理・生態学的特性に関する研究
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10306002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 龍一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 治人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60225886)
山岸 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50143409)
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Keywords | アフリカイネ / 西アフリカ / アフリカ農業 / イネ / O.glaberrima / WARDA / CGIAR |
Research Abstract |
I.酸性土壌条件下における耐性イネ品種の形態学的・生理学的特徴を調べる目的でpH3.3〜3.5の酸性硫酸塩土壌で、アジアイネ(Oryza sativa L.)とアフリカイネ(Orya glaberrima Steud)につき生存の可否によって耐酸性品種を選抜した。アフリカイネの方がアジアイネよりやや高い生存率を示し、アフリカイネが耐酸性に優れていることが示された。 II.アフリカイネ親、CG14とアジアイネ親、WAB56-104との交雑から得られた種間雑種後代につき、窒素施肥に対する生長と子実収量の反応を調べた。CG14では、体内の窒素濃度は高かったが、そのことがかならずしも子実収量に反映されてはいなかった。一方、WAB56-104と2種の種間雑種後代は、窒素に対する反応性が大きく、高い効率で子実収量の増加に結びついていた。 III.雑草に対する競争性をアフリカイネ親、CG14とアジアイネ親、WAB56-104、及びそれらの種間雑種後代につき調べた。無除草区でCG14の乾物重はWAB56-104に対して2倍、子実収量は1.3倍という値を示し、CG14は、雑草が存在する条件下でWAB56-104よりも生長が速いことが示された。さらに、除草を行わないことによってCG14の子実収量は30%の減少にとどまったが、WAB56-104においては50%となっていた。雑草量は、イネの草丈、分げつ数、LAIなどによって影響を受けていたが、LAIとは最も高い負の相関(r=-0.81^<**>)を示した。すなわち、アフリカイネでは、その高い葉面積が雑草抑制に大きく効いていると考えられた。種間雑種後代はCG14とWAB56-104の中間にあり、アジアイネより強い雑草競争性を持っていることが判った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 窪田聡,斎藤邦行,James EGDANE,福田奈緒,伊藤治,石井龍一: "NPTの登熟期間中の止葉から穂への炭素の転流について"日本作物学会紀事. 69巻. 8-9 (2000)
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[Publications] Mohammad Samiul Alam,雀宗均,山岸徹,石井龍一: "非共生根圏バクテリアを接種したイネの成長と個葉光合成"日本作物学会紀事. 69巻. 114-115 (2000)
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[Publications] 石丸努,廣瀬竜郎,後藤明俊,寺尾富夫,山岸徹,石井龍一: "イネ頴果の登熟期における炭水化物の代謝に関する研究第1報 強勢頴果と弱勢頴果における炭水化物代謝関連遺伝子発現の比較"日本作物学会紀事. 69巻. 258-259 (2000)