1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10306010
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺沢 実 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50003124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 正人 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10226194)
船田 良 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20192734)
高橋 邦秀 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80281707)
佐野 雄三 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90226043)
玉井 裕 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (50281796)
|
Keywords | 樹液 / 溢出機構 / シラカンバ(Betula) / 根圧 / 水分分布 / 蒸散 / 浸透圧 / 吸水ポンプ |
Research Abstract |
樹液の溢出:材温がO℃を越え,地温が0℃を越える時点で溢出が開始する。溢出量と気温との相関がある。一日中での経時変化も外気温と関係することを認めた。前年の葉の光合成生産量と翌春の樹液溢出量とには相関がある。樹液溢出時期における根の膨脹を認め,樹液溢出に根圧の存在をうかがわせた。 樹体内の水分分布:秋まで存在していた水分が冬期に徐々に導管から消失する。早春になって,材が凍結・解凍をくり返すことにより,はっきりとキャビテーションが起る。樹液溢出時には,導管に水分は充満しているところから早春時にキャビテーションが回復することは明らかである。このキャビテーションの回復をもたらす力は,根圧であろうと推定された。導管への水分の充填の状況をcryo-SEMにより視覚化することに成功した。樹液の浸透圧ポテンシャルは樹木の上方に向って高くなっていた。吸水ポンプタンパク質の検討が次の研究課題として浮び上って来た。
|