1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10306013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西田 清義 北海道大学, 水産学部, 教授 (20001620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓之 北海道大学, 水産学部, 助手 (90241372)
尾島 孝男 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30160865)
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Keywords | シロサケ / ミオシン / アクチン / アミノ酸配列 / cDNAクローニング / 心筋タイプ / 骨格筋タイプ |
Research Abstract |
シロサケ・ミオシン重鎖の一次構造は、背筋mRNAから定法により合成したcDNAを一部はPCRの鋳型とし、一部は【lambda bar】ZAPIIに組み込みファージライブラリーを作成して解析した。塩基配列はABI310型シーケンサで分析した。シロサケには脊椎動物で報告されている骨格筋タイプと心筋タイプに類似するアイソフォームの存在が分かった。1.骨格筋タイプのミオシン重鎖cDNAは、尾部領域の既知塩基配列と保存的アミノ酸配列に基づき合成したプライマーを用いてPCRで増幅した。それらの塩基配列を重ね合わせ、合計5687bpの塩基配列を明らかにした。この配列から演繹したRLR領域(N末端から約80番目)からC末端までの1851残基のアミノ酸配列は骨格筋タイプに分類できた。 2.心筋タイプのミオシン重鎖をコードスルcDNAについても同様に分析した結果、2262bpの塩基配列を明らかにし、RLRから調節軽鎖結合部位までの754残基のアミノ酸配列が演繹された。この配列は心筋タイプに分類された。 3.普通筋タイプと心筋タイプのミオシン重鎖間での配列相同性は全体で73%程度であるが、ATP結合部位や調節軽鎖結合部位の相同性は75-95%と高く、loop1,2および必須軽鎖結合部位では46-56%と低かった。 4.アクチンについては6個のクローンのうち翻訳領域の全長を含む1個の塩基配列を分析し、375残基からなるシロサケ・α-アクチンの全アミノ酸配列を決定した。その配列は脊椎動物筋アクチンとは4〜5残基、また無脊椎動物筋アクチンとは15〜44残基が異なっており、相同性は各種脊椎動物筋アクチンとは87〜91%、無脊椎動物筋アクチンとは80〜85%であった。
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